外壁塗装の塗料の種類と選び方
水性塗料と油性塗料
外壁塗装で使用する塗料には、大きく分けて「水性塗料」と「油性塗料」の2種類があります。
水性塗料は水で希釈するのに対し、油性塗料はシンナーなどの有機溶剤を使用して希釈します。
一昔前までは外壁塗装といえば油性塗料が主流で、水性塗料と油性塗料では塗膜の耐久性に大きな差がありましたが、 塗料メーカーによる改良が重ねられた結果、現在は水性塗料でも耐久性の高いものがたくさん出ています。
臭いが少なく安全で環境と人にやさしい水性塗料が、外壁塗装において今や主流になりつつあるのです。
しかし、油性塗料の耐久性の高さにも依然として魅力があります。
【参考記事】
>>外壁塗装の水性塗料と油性塗料の違いは何?下塗り塗料
塗装工事は一般的に下塗り・中塗り・上塗りと3回の工程に分けられます。
下塗り塗料とは、外壁材や屋根材などの塗装面に一番最初に塗る塗料のことです。
塗装をするときは、中塗り・上塗りの密着性を良くするために塗装面の下地処理をする必要があります。
この下地処理で使用されるのが下塗り塗料で、塗装面を整えるための塗料です。
代表的なものではシーラーとプライマー、フィラーがあります。
アクリル・ウレタン
アクリル塗料の特徴は軽いこと。そのため、塗り重ねても問題が起きません。
ウレタン塗料の大きな特徴はやわらかいことです。そのため、曲面にも塗装でき、塗装する素材もあまり選ばず、コンクリートやモルタルの外壁だけではなく、木にも塗装できます。
しかしながら、アクリル塗料は5年から7年、ウレタン塗料は7年から10年と耐用年数が短いため、現在では外壁塗装に使われることはほとんどありません。
かつての塗り替え時のスタンダード塗料であり、比較的低コストでありながら性能にも優れた塗料の1つでした。
シリコン
シリコン塗料は耐水性、耐久性、そして透湿性に富み、10年から15年の耐用年数が期待できます。
さらに防カビ性や防汚性能にも優れており、性能と価格のバランスに優れたコストパフォーマンスの高い塗料です。近年のスタンダード塗料として人気を得ています。
フッ素
フッ素塗料はほかの塗料に比べて抜群の耐久性を誇り、15年から20年の耐用年数が望めます。
その分、費用はお高めになりますが、長期的に見れば塗り替え回数が抑えられ、長期的に見てコストダウンにつながります。
無機塗料
無機塗料は、樹脂成分(有機物)があまり含まれておらず、鉱物やレンガ、ガラスなどの無機物で構成されています。そのため、劣化がしにくい耐久性に優れた塗料です。
耐用年数はフッ素塗料よりもさらに長く、20~25年ほどです。不燃性もあり、万が一のときには資産(建物)を守ってくれる期待が持てます。費用は高くなりますが、その耐久性と美観性に人気があがってきています。
遮熱塗料
遮熱塗料は太陽光を反射させる作用があり、外壁から室内へ伝える熱エネルギーを遮断する効果が期待できます。
エアコン効率を高めるので省エネや節電に役立ってエコな塗料です。
【参考記事】
>>断熱塗料で1年中快適に過ごそう防火塗料
防火塗料とは塗料に防火性を持たせ不燃・難燃材料を用いた塗料のことです。
日本は木造住宅が多いうえに、地域によっては密集しているところもあるため
延焼のリスクが多いことが問題となっています。
防火塗料を塗布することにより、外部からの延焼のリスクを抑えることが期待できます。
ラジカル制御型ハイブリッド塗料
ラジカル制御型塗料とは外壁に発生する「ラジカル」つまり紫外線等で発生する
”劣化因子”を抑える役割を持った塗料です。
劣化因子を抑えることで外壁塗装の一番の問題である経年劣化を遅らせることができ、
長期にわたって外壁の美観・機能を保つことができます。
ただ他の塗料と比べると多少価格が高くなりますので、お見積もり時には要注意です。
珪藻土塗料
その名の通り塗料に”硅藻土”を含んだ染料です。
効果としては除湿・加湿性能があり、脱臭機能も期待ができます。
質感がマットに仕上がり優しい印象を与えるため、
近年外壁を硅藻土を使用する方が増えて来ています。
表面に凹凸ができ、外部からの衝撃に弱いことがデメリットです。