無機塗料とは?特徴とメリット・デメリットについて紹介

無機塗料はその高い耐久性から注目されている、外壁・屋根塗装で使われる種類の中でも最もグレードが高い塗料です。
しかし、やはり無機塗料にもメリットやデメリットが存在します。
そんな無機塗料のメリット・デメリット、無機塗料の特徴・性能などについて詳しく解説いたします。
無機塗料についての情報を知りたい方は是非参考にしてくださいね。
目次
1. 無機塗料とは
1-1 有機物と無機物の違い
1-2 無機塗料も有機塗料の一部である
2. 無機塗料の耐用年数と価格
3. 無機塗料のメリット
3-1 耐久性が非常に高い
3-2 カビ、コケが発生しにくい
3-3 低汚染性と防汚性に優れている
3-4 不燃性がある
4. 無機塗料のデメリット
4-1 価格が高い
4-2 ひび割れしやすい
4-3 再塗装が難しい
4-4 職人の知識と技術が必要
6. まとめ
無機塗料とは

無機塗料とは、セラミックやケイ素などの無機物を主成分として構成された塗料のことで、紫外線で劣化しにくい鉱物の特性を活かした、耐久性や耐候性に優れた塗料です。
例えば、陶器や石、レンガなどは全て無機質なもので出来ています。
このような無機物は紫外線で劣化しないので、無機物自体は半永久的な耐久性を持っているのです。
しかし、無機物だけでは硬すぎて塗料に適さないため、無機物100%の塗料は存在しません。
無機物の耐久性を活かしつつ、有機物を混ぜて作られた塗料が無機塗料なのです。
有機物と無機物の違い
有機物と無機物の違いは、「炭素」を含んでいるかどうかということです。
有機物・・・「炭素」を含んだ物質
無機物・・・「炭素」が含まれていない物質
有機物は燃やすと黒く焦げて炭になり、二酸化炭素が発生する性質があります。一方、無機物は燃やしても二酸化炭素が発生しません。
通常の一般的な塗料は主に「有機物」を主成分にしており、有機塗料とも呼びます。
有機塗料は柔軟性がある一方、紫外線によって劣化する傾向があります。
無機塗料は、主にガラスや鉱石などの「無機物」を混合して製造される塗料なので、紫外線によって劣化せず、非常に硬くて燃えにくい性質があります。
無機塗料も有機塗料の一部である

無機塗料は、先述の通り無機物だけでは塗料としての粘着性を持たせることが難しく、多少の有機物を配合しているため、「無機有機ハイブリッド塗料」と呼ばれることもあります。
無機塗料はシリコン塗料やフッ素塗料などの有機塗料とは全く別のものと思われがちですが、上の図のように含まれる無機物と有機物の割合が違うだけなので、無機塗料も有機塗料の仲間と言えるのです。
つまり、無機塗料は「有機塗料の中で主成分に無機物が使われいる塗料」ということになります。
無機塗料に明確な定義がないため注意が必要
有機物は紫外線によって分解される性質があるため、有機物が含まれた塗膜がは経年により劣化していきます。
ですので、いくら塗料に無機物が含まれていても、有機物の割合が多くなってしまうと劣化しやすくなってしまうのです。
そして、無機塗料の含有率や希釈率には細かい定義が決まっていないため、注意が必要です。
無機塗料において無機物と有機物の割合に明確な決まりがないのをいいことに、少量の無機物が混ざっているだけの質の悪い無機塗料や、効果がしっかりと実証されていない無機塗料を高額な費用で請求してくる悪徳業者も存在するので気をつけましょう。
塗料選びのに迷われた際は、ぜひ一度、浜松市のマルスギにご相談ください。
無機塗料の耐用年数と価格
無機塗料の耐用年数は20~25年で、1㎡あたりの単価は5000~5500円です。
無機塗料は、5種類の外壁・屋根の塗装で使われる住宅用塗料の中で最も高価な種類になりますが、耐用年数が非常に長く、次のメンテナンスまでの期間が長くなる傾向にあります。
住宅用の塗料のグレードは、安価なものから順に「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」「無機塗料」となります。
塗料は種類によって耐用年数と価格が大きく異なり、一般的に価格が高いほど耐用年数が長いです。
塗料ごとの耐用年数と価格の比較
耐用年数 | 1㎡あたりの単価 | |
---|---|---|
アクリル塗料 | 5~7年 | 1200~1700円 |
ウレタン塗料 | 7~10年 | 1700~2500円 |
シリコン塗料 | 10~15年 | 2500~3500円 |
フッ素塗料 | 15~20年 | 3500~5000円 |
無機塗料 | 20~25年 | 5000~5500円 |
無機塗料のメリット

耐久性が非常に高い
なんといっても無機塗料を外壁塗装に使う一番のメリットは、耐久性の高さで、耐用年数はフッ素越えの20~25年です。
無機塗料は無機物を主成分としているため耐候性が高く、雨や紫外線の影響を受けにくいので劣化しにくいという特徴があります。そのため、外壁表面を長期間にわたって外壁材・屋根材を保護することができるのです。
また、その耐用年数の長さから、短期間でメンテナンスを必要とすることもなく、工事の回数を最小限に抑えることができます。
カビ、コケが発生しにくい
無機塗料はエサとなる有機物の含有量が少ないため、カビやコケ・藻が生えにくい性質(低汚染性)を持っています。
コケの発生は、単に美観を損なうだけではありません。コケの根から発生する「根酸」という酸性物質により、外壁材や屋根材が酸化することで素材自体の耐候性が低下してしまう恐れがあります。
カビやコケの発生を抑えることは、外観を美しく保つだけでなく、壁や屋根の素材を保護することにもつながるのです。
特に一年を通して雨量の多い地域であれば、一度無機塗料の使用を検討してみることをおすすめします。
低汚染性と防汚性に優れている

無機物は水へのなじみやすさ、親水性が非常に高いので、表面に汚れが付着しても汚れを浮かせ、雨水で流れやすい特徴があります。
なので、壁に土埃などの汚れが付いても、雨水が塗膜と汚れの間に入り込み、汚れを流してくれます。
なので、壁に土埃などの汚れが付いても、雨水が塗膜と汚れの間に入り込み、汚れを流してくれます。
また無機塗料は静電気が起きにくいので、ホコリなどのゴミを寄せ付けにくい塗膜になります。
不燃性がある
無機物は鉱物やレンガ、ガラスなどで、不燃性のため燃えません。
無機塗料は無機物100%ではないので全く燃えないわけではありませんが、有機塗料と比べると燃えにくい性質があります。
この性質から、自宅の火事の被害を最小限に抑えられることはもちろん、もし近隣で火事が起きたとしても二次災害のリスクを低減する役割を果たします。
無機塗料のデメリット

価格が高い
無機塗料は主要な塗料の中でも、最も高価なグレードです。
耐用年数が長く機能性にも優れていますが、塗料に配合されている無機物の値段は安くありません。
そのため、一般的な有機塗料と比較すると価格が高くなります。
特に、屋根や外壁など広い面積を塗る場合は最終的な施工費がかなり変わってきます。
将来のメンテナンス費用を節約できるので、長期的なコストで考えると割安になりますが、初期費用としてまとまった資金やローンが必要になってくるでしょう。
ひび割れしやすい
無機塗料では有機塗料と比べて硬い塗膜となるので、外壁表面がひび割れした場合に追従できず、無機塗料の塗膜も一緒にひび割れを起こしてしまうことがあります。
外壁材や屋根材のひび割れは、放置すると雨水が侵入して建材を傷める原因にもなります。
モルタル外壁のようなひび割れしやすい外壁には不向きな塗料といえます。
もしひび割れしやすい建材で無機塗料を使用したい場合には、 弾性力が高い無機塗料もあるので、そのような塗料を使うことで対応することが可能です。
弾力性・伸縮性を高めた「無機ハイブリッド塗料」が使えないか業者に相談してみると良いでしょう。
再塗装が難しい
メリットで述べたように、無機塗料は表面に汚れがつきにくい性質を持っています。
しかしその性質により、あまり劣化が進んでいない状態で再塗装すると、新しい塗料と古い塗料がうまく密着せず、施工不良を起こす可能性があります。
たとえ20年経過していたとしても、外部環境や塗料の質によってはほとんど劣化していないといった場合もあるので、旧塗膜の状態をしっかり見極められる業者に塗装のタイミングを判断してもらった方がよいでしょう。
無機塗料は再塗装ができないわけではありませんが、有機塗料と比べると塗装工程や施工費用が増えるケースが多い点にも注意が必要です。
職人の知識と技術が必要

無機塗料の高い耐候性を発揮させるためには、一定の厚みで塗装する職人の技術が不可欠です。
また、下地処理が不足していたり、間違った下塗り塗料を選んだりしてしまうと、塗ったばかりでも剥がれや耐久性の低下を招くことがありますので、確かな知識も必要になります。
高価で高性能の塗料になるほど、施工の質の差が顕著に現れます。
特に無機塗料は比較的新しい塗料なので、まだ経験の浅い業者も存在します。
無機塗料の扱いに不慣れな業者に依頼して施工不良を起こしてしまうと、せっかくの高価な塗料の性能を引き出せずに寿命を縮めてしまう可能性があるので注意しましょう。
無機塗料での塗装を考えているなら、ぜひ施工実績が豊富な浜松市のマルスギにおまかせください!
無機塗料は、こんな方におすすめ!

長期的なコストパフォーマンスをよくしたい
もし長期的なコスト効果を重視しているなら、無機塗料はおすすめです。
その耐久性によって、何度も塗り直しをする手間と費用を削減できます。
初期の投資が少々高くなるかもしれませんが、将来的にはメンテナンスコストが抑えられ、結果としてコストパフォーマンスが向上します。
とにかく長く持たせたい、最後の塗装にしたい
何回も塗り替え工事をしたくないという方や、お家の大きなお手入れはこれで最後にしたいという方は無機塗料が適しています。
逆に、こまめに色を塗り替えたい方や、近々お引越しの予定がある方などは、無機塗料ではないほうがよいでしょう。これから先のお家の計画に応じて塗料を選んでみてください。
まとめ

無機塗料とは以下のようなものになります。
・セラミックやケイ素などの無機物を主成分とした塗料
・無機物だけでなく、多少の有機物を混ぜて作った塗料で、無機物と有機物の割合に明確な決まりがない
・高価だが、良いものは耐候性がとても高く塗料として理想的である
・様々な種類があり、それに応じて性能も様々なものがある
・無機物だけでなく、多少の有機物を混ぜて作った塗料で、無機物と有機物の割合に明確な決まりがない
・高価だが、良いものは耐候性がとても高く塗料として理想的である
・様々な種類があり、それに応じて性能も様々なものがある
無機塗料と一口にいっても、商品によって機能や性能は様々な違いがあります。
高価なのでまだ広く普及されていないため、不安に思う方も多いと思います。
しかし、無機塗料は非常に寿命が長く、現在の塗料の中では最も耐候性の高い塗料のひとつです。
無機塗料の商品ごとの特性をしっかりと理解して、納得のいく塗料選びをすることが大切です。
外壁塗装でお悩みの際は、浜松市のマルスギにお気軽にご相談ください!
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