30坪、40坪…外壁塗装の坪相場っていくら?
外壁塗装の費用は坪数で大きく変わります
住宅を新築した場合や購入した後、初めて外壁塗装を行う場合、どのくらいの費用がかかるのか不安になるのではないでしょうか。
すでに外壁塗装のリフォーム経験がある方の中には、前回は想像以上に高額の費用がかかったから、もっと安く抑えられると助かると考えている方もいるかもしれません。
ここでは、30坪、40坪、50坪の住宅を基準に、どのくらいの費用がかかるのか相場をご紹介します。
見積もりが相場と差が出た場合の、チェックポイントも確認していきましょう
目次
1. 外壁塗装の価格相場
1-1 外壁塗装工事合計費用相場表
1-2 1坪は何㎡?
2-1 実際の塗装面積の差
2-2 塗料代の違い
2-3 業者ごとの施工単価の違い
3-1 【30坪】
3-2 【40坪】
3-3 【50坪】
4. 外壁塗装の費用内訳
4-1 塗料・材料費(全体の約20%)
4-2 工事代・人件費(全体の約30%)
4-3 足場代(全体の約20%)
4-4 その他(全体の約30%)
7-1 相見積もりを取る
7-2 外壁の状態を確認する
7-3 使用塗料を再検討する
7-4 地域密着の事業者に依頼する
8-3 「一式」という表記が多くないか
8-4 保証についての記載があるか
9. まとめ
外壁塗装の価格相場
外壁塗装の合計費用は、(塗料の価格×施工面積)+足場費用+工賃(職人の作業代)+諸費用で構成されるのが基本スタイルです。
施工面積によって費用に差が出るので、建物の坪数ごとに目安となる合計費用相場をご紹介します。
実際には同じ坪数でも、外壁の面積は異なるので差がでます。
外壁塗装工事合計費用相場表
坪数 | 塗装面積 | 相場費用 |
20坪 | 約79㎡ | 40~90万円 |
30坪 | 約119㎡ | 60~100万円 |
40坪 | 約158㎡ | 80~130万円 |
50坪 | 約198㎡ | 100~160万円 |
60坪 | 約238㎡ | 120~200万円 |
1坪は何㎡?
家の大きさをざっくり考えるときに、「〇坪」という表現がされることが多いのですが、見積書には「〇㎡」で記載されます。坪数から塗装面積は以下の計算方法で出すことができます。
坪数からの塗装面積の計算方法
延べ坪数×3.3(1坪=3.3㎡)×1.2(外壁の面積を計算する際の係数)=外壁塗装の面積(㎡)
同じ面積でなぜ費用相場に幅があるの?
実際の塗装面積の差
坪数が同じでも、家の形やドア・窓などの開口部の面積によって、塗装面の面積は変わってきます。
先ほどの塗装面積の計算方法でわかる面積はおよその目安なので、実際の塗装面積と差が出てきます。
そこで、見積もりを依頼すると業者が現地で計測し、図面を使って正確な塗装面積を算出するのです。
塗装面積が塗料の量や作業時間(人件費)に関わるため、塗装面積の差が、費用が異なる要因のひとつです。
塗料代の違い
塗料代は、塗料の種類をはじめ、メーカーやグレードによって異なります。
中でも塗料の性質や機能性を決める種類は、価格に大きな影響を与える要素です。
機能性が高く、耐久性が高まるほど、塗料代は高くなる傾向にあります。
外壁塗装に使われる代表的な塗料で耐久性の低いものから順に、アクリル塗料5~7年、ウレタン塗料8~10年、シリコン塗料10~12年、フッ素塗料15~20年です。
また、セルフクリーニング機能などがあり、長く美観を維持しやすい無機塗料はさらに長く20~25年です。
省エネ対策に役立つ遮熱塗料や断熱塗料などの高機能な特殊塗料は、機能が高い分、塗料代も高めです。
【参考記事】
>>外壁塗装の塗料の種類と選び方業者ごとの施工単価の違い
外壁塗装の工事にはさまざまな工程があり、それぞれの施工単価は業者によって異なります。
また、外壁の状態によっても塗装方法が変わってくるため、同じ塗装面積でも金額に差が出てくるのです。
外壁塗装の坪別相場費用の内訳
・(※) 下地処理は外壁の状態により費用が変動します
・見積もりを取った際に、事業者により作業の呼び名が異なる場合や、すべてが内訳に入っていない場合、他の作業が追加になることがあります
【30坪】
作業内容 | 塗装費用 | 30坪の場合 | 30坪にかかる費用 |
---|---|---|---|
足場 | 800~1,200円/㎡ | 166㎡ | 132,800~199,200円 |
飛散防止ネット | 150~400円/㎡ | 166㎡ | 17,850~47,600円 |
養生 | 200~300円/㎡ | 119㎡ | 23,800~35,700円 |
シーリング(打ち換え) | 700~1,500円/m | 119㎡ | 8,330~178,500円 |
シーリング(うちまし) | 500~1,000円/m | ― | ― |
軒天(軒裏) | 800~1,600円/㎡ | 30㎡ | 24,000~48,000円 |
雨どい | 800~1,800円/m | 40m | 32,000~72,000円 |
雨戸 | 2,000~4,000円/枚 | 4(一例) | 8,000~16,000円 |
廃棄物処理 | 10,000~30,000円/式 | 1式 | 10,000~30,000円 |
運搬・交通費 | 10,000~30,000円/式 | 1式 | 10,000~30,000円 |
下地処理(※) | 約300〜2,500円/㎡ | 119㎡ | 35,700~297,500円 |
高圧洗浄 | 250円〜450円/㎡ | 119㎡ | 29,750〜53,550円 |
塗料代
アクリル:約50万円~70万円
ウレタン:約60万円~80万円
シリコン:約75万円~100万円
フッ素:約90万円~110万円
無機塗料:約100万円~120万円
遮熱・断熱塗料:約95万円~115万円
【40坪】
作業内容 | 塗装費用 | 40坪の面積 | 40坪にかかる費用 |
---|---|---|---|
足場 | 800~1200円/㎡ | 230㎡ | 184,000〜276,000円 |
飛散防止ネット | 150~400円/㎡ | 230㎡ | 34,500~92,000円 |
養生 | 200~300円/㎡ | 158㎡ | 31,600~47,400円 |
シーリング(打ち換え) | 700~1,500円/m | 158㎡ | 110,600~237,000円 |
シーリング(うちまし) | 500~1,000円/m | ― | ― |
軒天(軒裏) | 800~1,600円/㎡ | 40㎡(一例) | 32,000~64,000円 |
雨どい | 800~1,800円/m | 45m(一例) | 36,000~81,000円 |
雨戸 | 2,000~4,000円/枚 | 4(一例) | 8,000~16,000円 |
廃棄物処理 | 10,000~30,000円/式 | 1式 | 10,000~30,000円 |
運搬・交通費 | 10,000~30,000円/式 | 1式 | 10,000~30,000円 |
下地処理(※) | 約300〜2,500円/㎡ | 158㎡ | 47,400~395,000円 |
高圧洗浄 | 250円〜450円/㎡ | 158㎡ | 39,500〜71,100円 |
塗料代
アクリル:約100万~120万円
ウレタン:約110万~130万円
シリコン:約130万~150万円
フッ素:約140万~170万円
無機塗料:約170万~190万円
遮熱・断熱塗料:約150万~180万円
【50坪】
作業内容 | 塗装費用 | 50坪の場合 | 50坪にかかる費用 |
---|---|---|---|
足場 | 800~1,200円/㎡ | 277㎡ | 221,600〜332,400円 |
飛散防止ネット | 150~400円/㎡ | 277㎡ | 41,550~110,800円 |
養生 | 200~300円/㎡ | 198㎡ | 39,600~59,400円 |
シーリング(打ち換え) | 700~1,500円/m | 198㎡ | 138,600~297,000円 |
シーリング(うちまし) | 500~1,000円/m | ― | ― |
軒天(軒裏) | 800~1,600円/㎡ | 50㎡(一例) | 40,000~80,000円 |
雨どい | 800~1,800円/m | 50m(一例) | 40,000~90,000円 |
雨戸 | 2,000~4,000円/枚 | 6(一例) | 12,000~24,000円 |
廃棄物処理 | 10,000~30,000円/式 | 1式 | 10,000~30,000円 |
運搬・交通費 | 10,000~30,000円/式 | 1式 | 10,000~30,000円 |
下地処理(※) | 300〜2500円/㎡ | 198㎡ | 59,400~495,000円 |
高圧洗浄 | 250円〜450円/㎡ | 198㎡ | 49,500〜89,100円 |
塗料代
アクリル:約80万円~100万円
ウレタン:約90万円~115万円
シリコン:約100万円~120万円
フッ素:約110万円~140万円
無機塗料:約130万円~160万円
遮熱・断熱塗料:約120万円~150万円
外壁塗装の費用内訳
塗料・材料費(全体の約20%)
塗料代は外壁塗装の約20%を占めるため、「塗料の種類」は費用に大きく影響します。
一般的に耐用年数が長い塗料は、価格が高い傾向にあります。
とはいえ、耐久年数が高い塗料はすべて価格が高いわけではありません。
塗料の各種類の中にもグレードがあり、同じ種類の塗料でも耐用年数の短いものと長いものがあります。
例えば、近年よく使用されているシリコン塗料は耐久年数が幅広く、耐久年数が8年の製品もあれば、15年の製品もあります。このように、塗料は全ての製品が耐久年数と予算が比例するわけではありません。
塗料の種類や耐用年数に希望がある場合は、事業者に見積もりを依頼する際に相談しましょう。
工事代・人件費(全体の約30%)
外壁塗装の工事代(人件費)は、塗装や洗浄など塗装職人や外壁塗装にかかわる人に必要な費用を指します。
内訳には、足場やシーリング打ち直しなど明確にわかる作業の他に、汚れ防止のための養生や、軒天や雨どいなどの付帯工事の費用が発生します。
足場代(全体の約20%)
外壁塗装には足場代が必ず必要で、費用相場は1㎡あたり800~1,200円程度です。
足場代を算出するためには、足場費用と飛散防止ネットの金額だけでは足りません。足場をかける面積(足場架面積)の算出が必要です。足場代面積は次のような計算式で算出できます。
足場架面積=(家の外周+8m)×高さ
足場架面積が出たら、それを使って外壁塗装の足場代は、次の計算式で算出できます。
足場代=足場架面積×(足場費用/㎡+飛散防止ネット/㎡)
足場は外壁を囲うため外壁より面積が増えます。
また、足場代には、足場組みや解体時の工事代のほか、足場材の修理・クリーニングといったメンテナンス費用、運搬費などが含まれます。
その他(全体の約30%)
職人さんの交通費や事務手数料、工事中に車を停める場合は駐車料金などが発生します。また外壁塗装工事に必要な許可取得費用なども必要です。
日本の一般的な「2階建て一軒家」は30~40坪が多い
日本の住宅に多い2階建て一軒家の平均的な坪数は30~40坪です。
同じ坪数でも、家のデザインによって外壁の面積は異なります。
大きな窓やベランダなどが設置されている住宅と、窓がほとんどなく断熱性や気密性を高めた省エネタイプの家では外壁の面積に違いが出ます。
もっとも、塗料代は面積に応じてぴったり使われるのではなく、面積をカバーするだけの塗料の缶数となるのが基本です。
同じ色の塗料を別の家に使い回せるとは限らないため、缶単位で見積もられるのが一般的です。
そのため、施工面積に差があっても、塗料代に差がほとんど生じない場合もあります。
外壁塗装と屋根塗装をセットにすると安くなることも
外壁塗装と屋根塗装の費用を抑えたいときには、同時施工がおすすめです。
坪数や屋根の大きさ・形状によっても変動しますが、同時施工の場合は外壁塗装の費用に屋根の塗装代が30〜40万円ほどプラスされます。
1回の施工費用は高くなりますが、別々の時期に施工した際の合計額より費用を抑えることができます。
足場の設置や解体の費用が1回分で済んで、養生や高圧洗浄などの作業も1日でまとめてできるので工事の効率が良いからです。
「相場より高いな」と思ったら
できれば、少しでも外壁塗装の費用を安く抑えたいですよね。
「相場より高いな」と思ったら、以下の点をチェックしてみましょう。
相見積もりを取る
足場費用や工賃が高めでないか、できれば「相見積もり」を取って比較しましょう。
「相見積もり」とは、複数の事業者に見積もりを依頼して比べることです。
複数の見積もりを比べると、数万円から数十万円違う結果が出ることもあります。
しかし、見積もりは安いから良いというものでもありません。安すぎる見積もりを出す事業者は、工事で手抜きや省略をする可能性もあります。
また、足場の設置や解体、施工を外部業者に下請けさせていると、中間マージンが生じる分、高くなります。
費用を抑えたいなら、自社施工の業者がおすすめです。
相見積もりをとり、適正な価格か、不明な見積内容がないか、施工期間は早すぎないかなどを確認しましょう。
外壁の状態を確認する
施工前の今の外壁の状態をチェックしましょう。
塗膜が剥がれたり、ひび割れしていたり、コケやカビが生えていたり、コーキングの膨れやひびなどはありませんか。
劣化状態が酷いと、下地処理を徹底することやコーキングの打ち替えなどが必要になるので、その分費用が高くなっていることがあります。
目立った劣化がないにもかかわらず費用が高くなっている場合は、余分な工事が見積もられているかもしれませんので、確認してみましょう。
使用塗料を再検討する
高耐久、高機能、グレードの高い塗料を使っていれば、塗料代が高くなります。
最近は高機能な塗料が増えており、業者に相談すると、そういった塗料をおすすめされる可能性は高いです。
しかし、風通しのいい立地の家であれば防カビ機能や防藻機能は不要かもしれません。また、数年後に引越しや建て替えを予定しているなら、その時までの耐用年数があれば十分です。
余分な耐久性や機能がついた高価な塗料より、必要な条件を満たす塗料を選びましょう。
相見積もりを取った際に、同じメーカーの同じ塗料を使っていて、塗料代に差がある場合は、なぜ高くなっているか業者に確認が必要です。
地域密着の事業者に依頼する
外壁塗装を依頼する場合は、地域密着型の事業者がおすすめです。
大手リフォーム会社は、下請けの事業者に依頼するため仲介手数料が発生しますので、どうしても費用が高くなってしまいます。地元の自社施工の事業者に依頼することで手数料分が安くなる可能性があります。
また地域の事業者は、地域での評判を落とすと後々の仕事にも差し支えるため、誠実な仕事をしてくれるでしょう。
外壁塗装の見積書で確認するべきポイント
外壁塗装で失敗しないために、見積書を受け取ったら以下のポイントは必ずチェックしてみてください。
少しでも不明瞭な点があれば、確認し、納得できない業者とは契約しないようにしましょう。
中には見積もりを受け取ると、「わざわざ見積もりを出してもらった後、工事を依頼しないのは申し訳ない」と感じる方もいらっしゃいますが、外壁塗装やリフォーム工事において、相見積もりは一般的なことです。
気兼ねすることは全くありませんよ。
具体的な塗料の名前が書かれているか
外壁塗装の見積書では、項目で塗料の商品名まで記載されているかを見ましょう。
「シリコン塗料」とだけ記載されているようなケースは注意してください。詳細が書かれていないと、市場に流通していない粗悪品を使われていたり、工事に使用する塗料が変更されていたりしても全くわかりません。
どのメーカーのどの商品を使うのかは、必ず業者に確認を取りましょう。
外壁の塗装が3回塗りになっているか
外壁塗装の見積書では、外壁の塗装回数が3回になっているかを確認しましょう。
外壁塗装は、ほとんどの場合「下塗り、中塗り、上塗り」の3回塗りが基本となっています。「下塗り、上塗り2回 」と表記されていることもあります。
通常の塗料で塗装する場合、3回塗りをしてくれない業者への依頼は避けた方が良いでしょう。
ただし、2回塗りのクリヤー塗装や4回塗りの光触媒などの例外もありますので、特別な塗料を使用する際は業者に確認をしておきましょう。
「一式」という表記が多くないか
見積書では、「一式」という表記をチェックしましょう。
「一式」との記載が多い場合は、業者が見積もりを正確に出していない可能性があります。
外壁は住宅によって面積や形が異なるため、細かく計算しなければ見積もりを出すことはできません。それにもかかわらず、「一式」の表記が多い場合は、適当に見積もりを出していると考えられます。
ただし、養生と下地処理、諸経費については、「一式」の単位が使われていても問題ありませんのでご安心ください。
保証についての記載があるか
見積書では、保証についての記載があるか確認しましょう。保証書を発行する会社であれば、保証年数がきちんと記載されているかもチェックしてください。
保証は一般的に次のような問題が起きた際に適用されます。
・外壁塗装の剥がれ
・外壁の色あせ
・シーリングのひび割れ
保証の対象は業者によって変わるため、詳しく確認しましょう。
なお、保証が記載されている場合でも、保証期間が適正かどうか確認することも重要です。平均的な施工保証期間は5年とされます。
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まとめ
外壁塗装の費用相場は、施工面積によって差が出るので、一般的にはマイホームの坪数に応じた相場と、実際の見積もりを比較して、高くないか確認しましょう。
外壁塗装の費用は大きく「塗料・材料費」「工事代・人件費」「足場代」「その他」の4つに分けられます。
見積もりが相場より高い場合には、自社施工ではないか、外壁の劣化が深刻化しているか、高耐久、高機能の塗料が使用されているかをチェックしてください。
「相見積もり」を取って、複数の事業者を比較してみましょう。
見積書を受け取ったら、以下のポイントをチェックしましょう。
・具体的な塗料の名前が書かれているか
・壁の塗装が3回塗りになっているか
・一式という表記が多くないか
・保証についての記載があるか
また、外壁塗装と屋根塗装をセットにすると1回の費用は高くなりますが、長い目で見ると費用を抑えることができますよ。
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