外壁塗装中に雨が降っても大丈夫なの?

「外装塗装や屋根塗装の工事は雨の日でもできるの?」
結論から申し上げますと、
外装塗装や屋根塗装工事は、基本的に雨が降るとできません。
「そしたら、塗装中に雨が降ってきたらどうするの?」
「塗装直後に降ってきたら?」
「雨上がりは塗装できるの?」
など、いろいろな疑問が出てくると思います。
今回は、そんな様々な疑問を解決できるように、外壁塗装や屋根塗装と雨に関する内容を詳しくお伝えしていこうと思います。
雨でも正しく対処すれば、何の問題もなく塗装を仕上げることは可能です。
ぜひ最後まで読んでいただき、雨と塗装の関係を正しく理解しましょう。
目次
1-1 外壁塗装ができる条件
1-2 外壁塗装ができない条件
2. 外壁塗装ができない条件で塗装を行った際に起こる4つの不具合
2-1 ①塗膜の品質低下
2-3 ③塗料が薄まり耐久性が低下する
2-4 ④乾く前の塗膜に雨水の跡がつく
2-5 特に水性塗料は雨の日NG
3. 雨によって工期は延びます
4-1 近隣挨拶・現場確認・完了検査
4-3 高圧洗浄
6. 追加費用が発生するケース
6-2 塗装範囲の誤解による追加費用
6-3 工事中に追加要望の作業が発生した
7-1 雨が降ったら塗装工事を中断する
7-2 今後の対策や状況を確認する
8-1 塗装後3時間経っていればOK
9-1 雨上がりに塗装工事を行う条件
9-2 雨上がりの塗装の注意点
10-1 外壁を軽くこする
10-2 外壁に雨の跡がないか?
10-3 塗膜が薄く下地が透けていないか?
10-4 ツヤが落ちていないか?
11-1 目地のシーリングを撤去した後に雨が降っても大丈夫?
11-2 外壁や屋根塗装に最適な天候は?
11-4 雨の日でも塗ることができる塗料はある?
11-5 悪徳業者とよくあるトラブルは?
12. まとめ
雨の日は基本的に外壁塗装工事ができません

基本的に、外壁塗装工事は雨の日に行うことができません。
では、なぜ雨の日に外壁塗装を行ってはいけないのしょう?
それは、雨の日の湿度が塗装に適した条件ではないからなのです。
国土交通省公共建設工事標準仕様書や塗料メーカーのカタログには、気温5度以下、湿度85%以上の場合は塗装を避けてくださいと明記されています。
そして雨の日は容易に湿度が85%を超えてしまいますので、外壁塗装工事には向いていないということになります。
また、塗料に影響をおよぼすのは、雨や湿度だけではありません。
外壁塗装ができる条件とできない条件は以下のようになります。
外壁塗装ができる条件
・「晴れ」もしくは「くもり」
・気温5度以上
・湿度85%未満
基本的に、雨が降らず乾燥している日が塗装に最適です。
晴天がベストですが、直射日光が強すぎると塗料が早く乾きすぎてムラになることもあるため、「穏やかなくもり」も適した天気といえます。
気温が低すぎると塗料が硬化しづらく、乾燥不良や密着不良の原因になります。
また、湿度が高すぎると、塗料に含まれる水分が乾きにくく、塗膜の表面に曇りが出たり、仕上がりが悪くなる可能性があります。
さらに、湿気によって結露が発生していると、表面に白い膜ができる「白化現象」が起こることもあります。
外壁塗装ができない条件
・「雨」や「雪」が降っている
・気温5度以下
・湿度85%以上
・強風が吹いている
・寒暖差や霜などの影響で外壁の表面に結露がある場合
塗料が雨水や雪に濡れると、流れてしまったり、ムラになったりして、まったく仕上がりません。
また、下地が濡れたまま塗装すると、内部から膨れたり剥がれたりといった不具合が生じるため、完全に乾燥してから再開する必要があります。
気温が低いと塗料が乾かず、乾燥不良や表面のベタつきが起こり、高湿度の状態では、塗料の乾燥時間が極端に長くなり、埃やチリが付着しやすくなります。
風が強いと、塗料が飛散しやすく、足場や養生があおられて危険なため、作業を中断・延期するのが一般的です。
結露がある状態では、塗料が壁に密着しませんので、現場ごとに状態をしっかり確認しながら作業を判断します。
外壁塗装ができない条件で塗装を行った際に起こる4つの不具合
気温が5度以下や湿度が85%以上といった不適切な環境で塗装すると、さまざまな問題が起こります。
どのような問題が起こるのか、詳しく見ていきましょう。
①塗膜の品質低下
塗料は、塗った直後から乾燥・硬化していくことで、しっかりとした塗膜(保護の層)を形成します。 そのため、塗装したあとは塗料をしっかりと乾燥させる必要があります。
しかし、雨が降っていたり湿度が高かったりすると、塗料が十分に乾燥する前に雨や結露などの水分が塗膜に混ざってしまう可能性があるのです。
そうなると、塗膜がうまく固まらず、以下のような不具合が起こりやすくなります。
・塗膜が薄くなって強度が落ちる
・塗膜表面にベタつきやシワが残る
②密着不足によるひび割れや剝離(はくり)
雨の日や湿度が高い日など、外壁や屋根の表面が濡れていたり、乾ききっていない状態で塗装を行うと、塗料が下地にしっかりと密着せず、これも大きな不良の原因になります。
時間の経過とともに塗膜がひび割れや剥離が発生するリスクが高まります。
③塗料が薄まり耐久性が低下する
塗料にはあらかじめ決められた希釈率があり、それに基づいて塗料と希釈剤を適切に調整してから使用されます。
しかし、塗装作業中や塗装直後に雨が降ってしまうと、以下のようなトラブルが発生する恐れがあります。
・塗料に雨水が混入してしまい、本来の希釈率を超えて塗料が薄くなってしまう。
・薄まったことにより、本来の塗料の性能が発揮されず、塗膜が薄く弱くなる。
・雨水に含まれるホコリや汚れなどの不純物が混ざることで、塗膜の品質が低下する。
こうした状態で塗装をしてしまうと、塗膜の濃度や性能が落ち、外壁の保護力が不十分になります。
その結果、耐久性が著しく低下したり、塗りムラが生じたりするなど、塗装本来の防水性・耐候性・密着力が十分に得られず、早期劣化や施工不良の原因となるのです。
また、塗装後にしっかりと乾燥できないうちに雨に降られると、塗料が流れてしまい、こちらも同様に耐久性に悪影響を与える恐れがあります。
④乾く前の塗膜に雨水の跡がつく

塗料が乾く前に雨に濡れると、塗膜表面に雨粒の跡が「ポツポツ」と残ってしまいます。
これは「雨ジミ」とも呼ばれ、仕上がりの美観に大きな影響を与えます。
さらに、見た目が悪くなるだけでなく、雨水が塗膜内に浸透してしまった場合、その部分から徐々に塗膜が浮いて剥がれるなど、施工不良につながる可能性もあります。
もし塗装中に突然雨が降ってきた場合は、すぐに作業を中断し、塗装した箇所を養生シートでしっかりと保護する必要があります。
なによりも、天候の変化に注意を払いながら、適切な施工スケジュールを組むことが肝心です。
特に水性塗料は雨の日NG
水性塗料は、環境にやさしく、臭いが少ないことから、戸建住宅を中心に人気が高まっています。
以前は外壁塗装といえば油性塗料が主流でしたが、最近では、油性に匹敵するほどの高い耐久性や防水性を持つ製品も登場していて、今や水性塗料が主流になってきています。
ただし、水性塗料には乾燥するまでに時間がかかるという特徴があり、施工中の天候管理が非常に重要になります。
水性塗料は、乾燥すれば塗膜が雨を弾きますが、乾燥前に雨が当たると塗料は流されて、ムラや垂れが発生してしまいます。
たとえ、直接雨があたらない場所だとしても、湿気によって塗料が乾燥せず、マダラになってしまう恐れがあります。
一方、油性塗料は乾燥が早く、耐久性にも優れているため、雨に強そうなイメージを持たれることがありますが、実際には雨天での塗装は油性塗料にも大きなリスクをもたらします。
たとえ油性の塗料でも、塗装中や硬化途中に雨が降ると硬化不良や白化などのトラブルの大きな要因となりますので、注意が必要です。
白化現象
油性塗料に含まれる成分と水分が反応し、表面に白い粉をふいたような仕上がりになってしまうこと。
雨によって工期は延びます

外壁塗装工事は、基本的に雨天時には一部の作業を除いて中断されます。
これは、塗料の乾燥不足や密着不良といった施工不良を防ぐために必要な判断ですが、その分、工期が延びてしまう可能性があります。
多くの塗装業者は、工期中に雨が降る日があると想定して工期を決めていますが、特に梅雨や台風シーズンなど、長く雨が続く時期には、予定していたスケジュールよりも工事期間が長引くことが少なくありません。
工事期間中は足場や養生シートで家全体が覆われ、窓を開けられない、洗濯物を外に干せない、作業音が気になるなど、けして過ごしやすい環境とは言えず、日常生活への影響も発生します。
こうした不便をできるだけ減らし、工期を短くするためには、工事を行う時期の選定が重要です。
雨が少なく比較的天候が安定している春(4月〜5月)や秋(10月〜11月)を選ぶことで、スムーズな進行が期待できます。
ただし、近年は気象が不安定な傾向にあるため、たとえ晴れの多い季節であっても突然の雨が降ることもあります。
そのため、天候の変化に柔軟に対応し、状況に応じて工事計画を調整できる業者を選ぶことも、満足度の高い塗装工事を実現するための大切なポイントです。
雨の日でも可能な外壁塗装の工程
外壁塗装の工事は「雨=完全中止」というわけではありません。
確かに、塗料の品質や仕上がりに直接影響する「塗装工程」は雨天時には避けるべきですが、それ以外の工程であれば、安全に配慮しつつ進行できる場合があります。
ここでは、雨の日でも対応可能な代表的な工程について詳しく解説します。
外壁塗装の工程 | 雨や雪の日の作業 |
---|---|
近隣挨拶 | ○ |
足場設置前の現場確認 | ○ |
足場・飛散防止シート設置 | △ |
高圧洗浄 | △ |
下地処理 | × |
養生 | △ |
外壁塗装 | × |
完了検査 | ○ |
足場の解体 | △ |
近隣挨拶・現場確認・完了検査
近隣挨拶や現場確認、完了検査は、工事の前後に行う重要なコミュニケーションや確認作業で、塗装そのものに影響を与えるものではありません。
そのため、どの工程も天気に関係なく行うことができます。
近隣挨拶
工事開始前に、近隣住民の方々に工事内容や期間、騒音・車両の出入りについて説明します。
天候に左右されず、雨の日でも実施可能です。
現場確認
工事中の進捗や施工状況のチェック。
これも塗装作業とは異なるため、雨天でも支障はありません。
完了検査
工事後の最終確認や仕上がりチェックも、軽い雨程度であれば問題なく実施できます。
足場の組立・解体、飛散防止シートの設置
足場の組立・解体、飛散防止シートの設置は、塗装を行うための準備段階であり、家の外壁に触れずに周りで行う作業なので、小雨程度であれば予定通り進められることが多いです。
ただし、足場の組立・解体は高所作業も含まれるため、雨の日は滑りやすく危険が伴います。
大雨や暴風の日など作業員の安全確保が難しいと判断した場合は、作業の中止や延期を判断する場合があります。
高圧洗浄

高圧洗浄は、外壁や屋根に付着したホコリ・コケ・カビ・古い塗膜などを洗い流し、塗装の下地を整える重要な工程です。水を使って行う作業なので、小雨程度であれば支障なく作業可能です。
むしろ、雨の日は洗濯物を外に干さない家庭が多いので、近隣の洗濯物を気にせずに高圧洗浄を行えるという利点があります。
また、外気温が高すぎず、飛散した水が乾きにくいので作業効率が上がることもあります
ただし、こちらも足場を使った高所作業がありますので、足場の組立・解体と同様に大雨や強風などで作業員の危険があると判断した場合は、作業を中止することがあります。
塗装工事中に雨が降った場合の費用はどうなるか?
雨で工期が延びても追加料金はかかりません
外壁塗装中に雨が降って工期が延びてしまった場合でも、追加料金はかかりません。
外壁塗装の料金は、使用する塗料の単価と塗布面積など、塗装作業に必要な量や面積によって算出されます。工事期間によって左右される項目はありません。
そのため、工事内容に変更がなければ、どれだけ工期が長くなってしまっても契約時の料金に追加されることはありません。
もし、契約にない高額な追加料金を請求された場合は、悪徳業者に騙されている可能性が高いので、すぐに支払いせず専門家に相談しましょう。
消費者ホットラインは、自分が住んでいる市町村の近くにある消費生活相談窓口や、消費生活センターを案内してくれます。
消費者ホットラインの連絡先 ⇒ 局番なし188
強制的に塗装を続けると費用が増えることも

できるだけ早く工事を終わらせたいからと、雨の日でも構わずに塗装工事を進めるように言ってくるお客様もいます。
しかし今まで述べたように、雨の日に塗装を強行するのは絶対に避けた方がいいです。
無理に工事を続けても塗装がうまくできず、再び塗装しなければならなくなる可能性高いからです。
施主様都合による施工不良の追加塗装は費用が発生します。
再塗装ということになれば、ただでさえ1度目の塗装で高額な費用がかかるのに、その2倍近い費用を支払わなければなりません。もちろんその分工期も延びてしまい、目も当てられない状況になってしまうのです。
雨の日に行った外壁塗装は下地と塗料がしっかりくっつかず、剥離が起きたりひび割れの原因になったりします。
「再塗装の必要はない」と、ひび割れ・剥離などの症状をそのまま放置すると、下地まで傷んでしまい修繕費用がさらにかかってしまうことになるでしょう。
追加費用が発生するケース
基本的に、雨などで工期が延びた場合には追加費用は発生しません。多くの業者は、ある程度の天候の変化を見越して工期や費用を見積もっているためです。
しかし、「見積書に記載されていない内容の工事」や、「お客様からの途中変更・追加依頼」がある場合には、別途料金が発生することがあります。
代表的なケースは以下のようなものが挙げられます。
外見では分からない部分が予想以上に劣化していた

◆ 発生理由
施工が始まってから、外壁の内部や下地が予想以上に劣化していたことが判明する場合があります。
雨漏り・下地材の腐食・クラック(ひび割れ)の深部損傷など、見た目では分からなかった劣化は、足場を組んで間近で確認してはじめて気づくことも少なくありません。
◆ 追加費用の内容例
・下地の張り替えや補修
・雨漏り部分のシーリング補修
・腐食した木部・鉄部の取り替え
◆ ポイント
業者から現場写真などで説明を受け、「どのような劣化があって」「なぜ補修が必要なのか」を納得したうえで、費用と作業内容を確認しましょう。
塗装範囲の誤解による追加費用
◆ 発生理由
お客様が「この部分も塗ってもらえる」と思っていた箇所が、見積書に含まれていなかったというケースです。
特に誤解が起きやすいのが、
・雨樋(あまどい)
・シャッター・シャッターボックス
・軒天(のきてん)
・破風板(はふいた)
・ベランダや塀
これらは「付帯部」と呼ばれ、外壁塗装とは別項目として見積りに記載されることが多いです。
◆ ポイント
契約前に、「どの部分が塗装範囲に含まれているのか」をしっかり確認しましょう。
塗装範囲を図や写真で示してくれる業者だと、視覚的に理解しやすく安心です。
工事中に追加要望の作業が発生した
◆ 発生理由
外壁がきれいになると、他の部分が気になってくるというのはよくあることです。
例えば、
「塀や門柱も塗ってほしい」
「玄関扉や外構の金属部分も塗りたい」
「雨戸を撤去してほしい」
といったご要望が工事中に追加で出た場合には、当然ながら見積外の工事となるため、追加費用が発生します。
また、
「やっぱり別の色に変更したい」
というような塗装中のカラーチェンジも、すでに発注済みの塗料費や作業のやり直しが発生するため、追加料金の対象になります。
◆ ポイント
なるべく最初の打ち合わせで「やりたいこと・塗りたい範囲・希望の色」をしっかり業者に伝えておきましょう。
色の仕上がりに不安がある方は、カラーシミュレーションや塗り板サンプルなどを活用するとイメージのズレが起きにくくなります。
塗装工事中に雨が降ったときの対応
雨が降ったら塗装工事を中断する
塗装工事作業中に急な雨が降ってきたら、水分や湿気が原因で塗装の品質に悪影響を及ぼす可能性があるため、速やかに工事を中断する必要があります。
また、塗料を塗ってしまっている箇所は、養生して雨から守る対策を行います。
しかし中には、工期を遅らせたくないがために、雨の中でも作業を続けるという業者がいます。
・小雨だからと様子を見つつ作業を続行する
・区切りのいい部分まで仕上げようと作業を続ける
・塗装箇所をしっかり養生せずにそのまま現場を離れる
このような業者は、自分の作業優先でお客様のことを全く考えていませんので注意が必要です。
業者へ依頼する際には、このような雨が降ったときの対応を確認しておくといいでしょう。
優良業者であれば雨の日に作業できないことを理解しているので、雨が途中で降ってきたのに工事を続けることはありません。
雨でぬれた足場はすべりやすく足元が不安定な状態なので、塗料や工事の品質問題だけでなく、大ケガにつながるリスクもあるのです。
今後の対策や状況を確認する

塗装工事中に雨が降ってきて作業が中断した場合、今後のことについて業者の対応を確認しておきましょう。
可能であれば、雨が上がったあとにご自身の目で異常や不具合がないかをチェックしておいてください。
もし異常が起きている場合は、どのように処置するのか、追加費用がかかるのかなど話し合うことが大切です。
優良業者であれば、きちんとした対応で安心できるでしょう。
予期しない雨により塗り直しが必要になる場合もある
近年では異常気象が増え、ゲリラ豪雨も多発しています。
外壁塗装の過程によっては、予期せぬ雨が降ったために最初から塗り直しが必要になるケースがあります。
塗装中や塗装直後などに予期しない雨が降ってしまうと、塗装に不純物が混ざってしまう恐れがあります。
不純物が混ざってしまえば塗り直しになるため、工期スケジュールを見直す必要が出てくるでしょう。
もちろん、そのような場合は塗装業者のほうから報告がくるものですが、気になればこちらからどんどん問い合わせて確認しておきましょう。
塗装工事直後に雨が降った場合

塗装後3時間経っていればOK
外壁塗装の最適温度である15~30℃の過ごしやすい季節は、塗料を塗った後3時間程で乾燥します。
塗料を塗ってから3時間以上経過していたら、雨が降っても塗料の品質が低下することはないと考えていいでしょう。
しかし、季節や温度によって乾燥時間は異なるので注意が必要です。
特に寒い冬や高温でも湿気の高い夏は乾燥に時間がかかるため、半日~1日程度見ておきたいところです。
乾燥しにくい環境の時は3時間以降でも、業者に確認してもらいましょう。
塗装後3時間以内に雨が降ったら要対応
塗装後3時間経たずに雨が降った場合は、季節や温度に関係なく雨で塗料が流れる心配があります。
塗装箇所を養生して、雨から守る必要があります。
もし養生が間に合わず雨で塗料が流れた場合は、必要な耐久性が確保できませんので塗り直しを行います。
3時間は目安で、季節や温度によって乾燥時間は異なりますので、塗装後半日以内に雨が降って来たらまずは業者に塗装の状態を確認してもらいましょう。
業者が点検して手直しが必要な場合は、適切な手直しを行ってくれるはずです。
雨上がりはいつ塗装可能になる?
雨上がりに塗装工事を行う条件
雨上がりの状態でも塗装工事は可能です。
ただし、
「気温5℃以上かつ湿度85%未満」
この条件を満たしている必要があります。
何度かお話しした通り、原則として、塗装工事は気温5℃未満、湿度85%以上の環境での作業は推奨されていません。
雨上がりの場合には特に湿度が高まる傾向にあるため、しっかりとチェックしなければなりません。
また、上記の上記の条件を満たしていても、再び雨が降り出す可能性がある際は、塗装工事を実施しないほうが無難でしょう。
雨上がりの塗装の注意点

雨上がり直後に塗装をする際はいくつかの注意点があります。
たとえ天候が回復したとしても、外壁が雨水で濡れていたり湿気が多かったりすると、塗膜の剥がれが起きる可能性があるので塗装するべきではありません。
適切な判断力を備えた優良業者であれば、こうした条件から状況を判断し作業の可否を決めることができるでしょう。
しかし、未熟な業者や悪徳業者は明らかに塗装工事に不適切な環境下であっても、少しでも早く工事を終わらせたいからと工事決行の決断を下す場合があります。
施工業者の対応に不審なところを感じた場合は、他の業者に相談してみるのも一つの方法です。
雨が降った場合の外壁セルフチェック方法

外壁塗装工事の途中や直後に雨が降った場合、「塗料が流れていないか」「仕上がりに問題が出ていないか」が心配になる方も多いでしょう。
専門的な判断は業者に依頼するのが一番確実ですが、ご自身でも簡易的にチェックできるポイントがあります。
ここでは、ご家庭でできる4つのチェック方法をご紹介します。
今回ご紹介するチェック方法は、あくまでも簡易的なセルフチェックです。
少しでも違和感を感じたり、「これはどうなんだろう?」と疑問に思った場合は、迷わず施工業者に相談してください。
外壁を軽くこする
〇 塗料が手に付かない
✕ 塗料が手に付く(粉のようなもの、ベタつき、色移りなど)⇒業者に確認してもらう
◆ チェック方法
乾いたティッシュや清潔な布で、外壁の目立たない場所を優しくなでるようにこすってみてください。
このとき、力を入れすぎると外壁を傷める原因になるため、あくまで軽く触れる程度で構いません。
◆ 判定のポイント
塗料が手に付かない場合、塗膜はしっかり乾燥しており、雨の影響はほとんどないと考えられます。
手に色が付く、ベタつくなどの反応があれば、乾燥前に雨が降った可能性がありますので、業者に確認してもらいましょう。
外壁に雨の跡がないか?
〇 表面にムラやスジがなくきれいに塗られている
✕ ポツポツした雨跡・スジ状の流れ跡がある ⇒業者に確認してもらう
◆ チェック方法
外壁の広い面を目視で確認し、ポツポツとした斑点状の雨跡やスジ状の汚れが付いていないかを見てください。
晴れた日や明るい時間帯に確認するとわかりやすくなります。
◆ 判定のポイント
雨が乾燥前の塗装面にかかると、水分によって塗料が流れたり、表面に跡が残ったりすることがあります。
そういった雨跡が見つかった場合は、美観だけでなく耐久性にも悪影響を及ぼす可能性があるため、早めに業者へ相談を。
塗膜が薄く下地が透けていないか?
〇 均一な色で、下地が見えない
✕ 色にムラがある、塗膜が透けている、下地の模様や色が見える ⇒業者に確認してもらう
◆ チェック方法
壁面をよく見て、均一な色で塗装されているか、どこかムラがないか確認します。
特に、コーナー部分や日陰になる箇所などはムラが出やすいので注意して見ましょう。
◆ 判定のポイント
明らかに下地の色や模様が透けている場合は、塗装が不十分だったか、雨で塗料が流れてしまった可能性があります。
施工の不備または気候の影響が考えられるため、補修が必要になるケースも多く、業者の判断が不可欠です。
ツヤが落ちていないか?
〇 光が当たると自然なツヤがある
✕ ツヤがなくマットな見た目、表面がくすんで見える ⇒業者に確認してもらう
◆ チェック方法
外壁に光が当たる角度から見て、塗装面にツヤがしっかりあるかどうかを確認してください。
本来、塗装したての外壁には、選んだ塗料のグレードに応じて適度な光沢があります。
◆ 判定のポイント
雨によって塗料が流れると、塗膜の成分が失われてツヤがなくなることがあります。
ツヤが落ちてしまった箇所は、見た目の問題だけでなく、防水性や耐久性も低下している恐れがあるため、早めの確認が重要です。
外壁塗装中の雨に関してよくある質問

目地のシーリングを撤去した後に雨が降っても大丈夫?
A.基本的に雨が降るのは望ましくない
目地のシーリングを撤去した後に雨が降るのは、基本的に好ましくありません。
シーリングを撤去した状態では、外壁の目地がむき出しになっており、防水性が一時的に失われているため、雨水が建物内部に入り込んでしまう恐れがあるからです。
さらに、雨で濡れた状態のまま新しいシーリング材を打設してしまうと、密着不良を起こし、施工不良や早期劣化の原因になります。
雨天や雨が予想される天気の場合は、シーリング工事の撤去作業は中止します。
もし、撤去作業中に急な雨が降ってきた場合は、目地の上から養生テープで保護し雨が入らない対策を行います。
外壁や屋根塗装に最適な天候は?
A.塗装に最適なのは天候が安定している春や秋
春や秋でも雨の日が続かない時期をねらったほうがスムーズに作業を進めることができるでしょう。
乾燥しやすい冬は外壁塗装にぴったりだと思われがちですが、気温が低いため塗料が乾燥するまで時間がかかってしまいます。逆に、夏場は急激に気温が高くなるため、塗料に泡が生じやすくなってしまうのです。
外壁や屋根塗装に適した時期は工事の予約でいっぱいになる可能性があるので、早めに業者を選び相談したほうがいいでしょう。
雨が降っても業者が作業をやめない場合の対処法は?
A.保障期間の延長を申し出る
業者の中には、雨が降っても作業を一向にやめないところもあります。
雨天でも作業を強行した場合、それを理由に保障期間の延長を申し出るといいでしょう。
前述したように、雨の日に塗装工事を続けると塗装面が劣化しやすくなったり、白化や塗膜剥離のトラブルに発展したりする恐れがあります。外壁塗装はすぐに剝がれたり劣化したりするわけではなく、数か月・数年かかってから発生しやすくなるでしょう。
そのため、保障期間を延ばすことで数年後に劣化が出てきても無償で対応してもらうことができます。
雨の日でも塗ることができる塗料はある?
A.あります。
関西ペイントから発売されている「アレスダイナミックフィラー」という塗料は雨の日でも塗ることができます。アレスダイナミックフィラーは主剤に強化剤を加えて付着力を上げることで、濡れた壁面にも塗ることができるようになりました。
壁面が乾いていれば、主剤だけでも使用可能です。
こちらの塗料は下塗り専用となるため、中塗りや上塗りのときには使用できません。
現時点で、中塗りや上塗り用の塗料に、雨でも塗れる塗料は出ていません。
雨が多い時期に外壁塗装する場合は、下塗りの塗料にこのアレスダイナミックフィラーを採用すると、工期短縮が期待できます。

悪徳業者とよくあるトラブルは?
A.追加料金を請求された・仕上がりにムラがあった
見積もりに工事の具体的な内容が十分に記載されていないと、悪徳業者は「契約に含まれていない」と主張して追加料金を要求してくる可能性があります。
こういったトラブルを避けるために、契約書や見積もりを入念に確かめて、塗る場所や作業内容がすべて含まれているかどうかを確認することが大切です。
また、悪徳業者は、「下処理を行わない、塗装回数を減らす、塗料を薄める、乾燥時間を取らない」などといった手抜き工事をするため、出来の悪い仕上がりになることがよくあります。
雨の日のトラブルの例で、雨の日に外壁塗装NGであることを知らなかったため、雨が降っても作業を続ける業者に疑問を抱かず、そのまま工事を進めてしまったということがありました。
悪徳業者にだまされないためには、外壁塗装をすべて業者に任せるのではなく、正しい情報を集めて、きちんと自身の目で確かめましょう。
まとめ

外装塗装や屋根塗装工事は、基本的に雨が降るとできません。
外壁に塗った塗料が乾く前に、雨水などの水分が混ざってしまうと塗膜の質が低下し、ひび割れや剥離を引き起こす原因になるからです。
足場の組立・解体や飛散防止シートの設置、高圧洗浄は雨の日でも作業可能ですが、作業員の安全確保が難しい場合は作業を中止します。
もし雨が続き、工期が延びてしまっても追加費用は発生しません。
自分本位な悪徳業者は工期を遅らせたくないがために、雨の中でも作業を続けることがありますので注意が必要です。
このようなトラブルを避けるためにも、事前の打ち合わせで雨の日の対応などもしっかりと確認しておきましょう。
塗装工事作業中に雨が降ってきたら、速やかに工事を中断し、塗料を塗ってしまっている箇所は、養生して雨から守る必要があります。塗装が乾燥したあとであれば、雨に当たっても問題ありません。
しかし、季節や温度によって乾燥時間は異なりますので、塗装後半日以内に雨が降って来たら業者に塗装の状態を確認してもらい、必要であれば手直しをしてもらいましょう。
外壁塗装は雨の日の作業判断を誤ると仕上がりの低下につながるため、業者には的確な判断力が求められます。
安心して工事を進めるためには、豊富な経験と実績を備えた優良業者に依頼をすることをおすすめします。
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