外壁と屋根の部位名称、いくつ分かりますか?
外壁塗装の前に知っておきたい各部の名称
瑕疵、三和土、躯体、ツーバイフォー、ベタ基礎・・・
建築用語には聞きなれない言葉がたくさんありますよね。 建物の部位の名称もその一つだと思います。
しかし、外壁塗装の見積書や施工内容を見るときに、建物のパーツや外装素材の名称がわかっているととても便利なんです。
ということで今回は、建物の各部分の名称と役割について、写真とともにご紹介していこうと思います。
ちなみに、冒頭の答えは、
瑕疵(かし)…工事現場における欠損のこと
三和土(たたき)…コンクリートなどで作った土間のこと
躯体(くたい)…建築物の骨組みに関係する部分の総称
ツーバイフォー…2インチと4インチの材料を使って建築物の骨組みを作る工法
ベタ基礎…床面がすべて鉄筋コンクリートになっている基礎
建物の部位名称
外壁周り部位の名称と役割
① 目地(めじ)
目地とは、窓やドアなどの開口部と外壁の間や、サイディングボードなどの外壁材同士の継ぎ目部分のことです。
サイディングボードには防水のためシーリング(コーキング)が詰めてありますが、シーリングは紫外線や雨水で劣化するため外壁塗装の際に補修が行われます。
目地シーリングの補修工事は「打ち替え」と「増し打ち」があります。
打ち替えは古いシーリング材を手作業ですべて剥がし、新しいシーリング材を詰める補修工事です。
増し打ちは既存シーリング材を残したまま新しいシーリング材を詰める作業ですが、耐久性は打ち替えにやや劣ります。
【参考記事】
>>外壁塗装に欠かせないシーリング工事とは?② 幕板(まくいた)・帯板(おびいた)・胴差(どうざし)
幕板とは1階の外壁と2階の外壁の間にある仕切りの板のことです。
帯(おび)、帯板(おびいた)、胴差(どうざし)または化粧胴差とも呼ばれます。
ツートンカラーの外壁などで色にメリハリをつけるため装飾目的で設置されています。
幕板は構造上、外壁より少し出っ張っているため、雨水を溜め込みやすくそれが原因で劣化することもあります。
塗膜の剥がれ程度ならケレン作業をして塗装で大丈夫ですが、傷みが激しい場合は幕板自体を交換する必要があります。
【参考記事】
>>ケレン作業ってなに?③ 水切り(みずきり)
水切りとは、壁と基礎の間に入れられた金属製の仕切り板のことです。窓の下に施工されていることもあります。
水切りは住宅の上部から流れてくる雨水を受けて、直接土台に流れないようにして、建物内部に雨水が入り込まないよう防水のために設置されています。
水切りが傷んで基礎土台に雨水が入り込むと、基礎腐食の原因になり、隙間からシロアリが侵入しやすくなってしまいます。外壁塗装の際に、水切りのサビ止めと塗装の塗り替えも行うとよいでしょう。
④ 雨戸(あまど)・シャッター
雨戸・シャッターとは、窓サッシの外に取り付けられた戸のことです。
飛来物や強風から窓ガラスを守る目的で取り付けられているため、台風の多い地域でよく見られます。また防犯、防音の効果も期待できます。
雨戸とシャッターの主な違い
雨戸:左右にスライドさせて開閉。使用しないときは戸袋に収納。手動。
シャッター:上下に動かして開閉。上部にあるシャッターケースに畳んで収納。手動と電動がある。
耐久性は高いパーツですが、色あせしやすく汚れやすい箇所です。面積が大きいため色あせや汚れを放置すると、他の外壁をせっかくきれいに塗り替えても雨戸やシャッターだけ目立ってしまうことに。
外壁塗装の際に戸袋やシャッターボックスとあわせて塗替えをすることをおすすめします。
⑤ 戸袋(とぶくろ)・シャッターボックス
戸袋とは、雨戸を収納する箱状のスペースのことです。
新築では、開閉のラクな雨戸シャッターが近年主流になってきているため、戸袋がないケースも多くなってきました。(シャッターの場合はシャッターボックスがあります。)
普段は雨戸ではなく戸袋のみ見えた状態になりますので、建物の美観のためにも雨戸とセットでの塗り替えましょう。
雨戸や戸袋の塗装はパーツが多いので、隙間の塗り忘れや錆び落としに気をつけなければいけません。
雨戸や戸袋の劣化や錆びを放置すると外壁表面の雨だれによる汚れや隣接する鉄製部材の劣化に繋がる可能性があるため、塗装専門の業者に任せると安心ですよ。
⑥ 入隅(いりずみ)・出隅(でずみ)
入隅(いりずみ)も出隅(ですみ)も外壁の角を表わす言葉です。
外壁の角のうち凹んでいる部分を入隅と呼び、凸になっている部分を出隅と呼びます。
入隅と出隅は外壁の衝撃が集まりやすく、地震や建物の揺れによりひび割れが起きることも多い箇所です。
塗装の際はローラーが入らない細かい部分をハケを使って丁寧に仕上げる必要があり、このように細かい箇所をハケで仕上げる作業のことを「ダメ込み」と呼びます。
⑦ パラペット
パラペットとは、屋上やバルコニー等の周囲に立ち上げられた低い壁(立ち上がり部分)のことです。鉄筋コンクリートの屋上などでよく見られます。
近年はマンションやデザイン住宅にも採用されることが増えて、窯業系サイディングや金属外壁等、素材に合わせたメンテナンスが必要になってきています。
⑧ 笠木(かさぎ)
笠木とは、ベランダの手すりや塀・腰壁・パラペットなどの上部に取り付けられた木や鉄でできた板のことです。
パラペットなどの上部に、内側に傾斜をつけて笠木を取り付けることで、外側の壁に雨水が垂れないようにして、家の外観を美しく保つために役立っています。
笠木の継ぎ目は雨水が侵入しやすいので要注意です。また経年劣化によって腐食したり強風で外れたりすることもありえます。
外壁塗装では必ず笠木の劣化状況を点検し、塗り替えや継ぎ目の防水処理を行わなければなりません。劣化がひどいものは笠木を交換したほうがよいでしょう。
⑨ 化粧枠(けしょうぶち)・モール
化粧枠とは、窓(サッシ)まわりの化粧部材です。
窓モールと呼ばれることもあります。北欧風の住宅や、コロニアル様式の外観によく見られます。
⑩ 面格子
面格子とは、窓の外側に防犯や目隠し、窓ガラスの保護のために取り付けられた格子のことです。
格子の密度が高いものは外から家の中を見えにくくする役割があり、特にトイレや風呂、道路側に面した窓等に取り付けられます。縦に細く並んだ和風面格子や、蔓のようなデザインをあしらった洋風面格子などがあります。
面格子は木製や鉄製など様々な素材があり、素材に適した塗料を使用しなければすぐに塗装が剥げてしまいますのでこちらも専門の業者に補修を依頼しましょう。
屋根周り部位の名称と役割
❶ 大棟(おおむね)・隅棟(すみむね)
棟とは、屋根材と屋根材の継ぎ目のことです。
大棟は、屋根の最上部にある棟です。棟の中でも代表的な部分であるため大棟を指して「棟」と呼ぶことが多いです。
隅棟は、大棟から斜め下に雨樋の方向に向かってのびている棟です。
棟をカバーする部材のことを「棟板金(むねばんきん)」または「棟押え板」「棟包み板」と呼び、雨水が入り込まないように隙間を覆う役目を担っています。
屋根からの雨漏りは棟板金の劣化から始まることが多く、棟板金だけでなく板金を屋根に固定する釘なども錆びが起きていないか塗装の際に点検する必要があります。
❷ 破風(はふ)
破風とは、切妻屋根の妻側、雨樋がついてないほうの先端にある三角形の斜辺部分のことです。ここに取り付けられる板を「破風板」と呼びます。
横殴りの雨が建物に入り込むのを防いでいる箇所で、素材には鉄製と木製があります。
❸ 鼻隠し(はなかくし)
鼻隠しとは、雨樋がついているほうの屋根の先端に取り付けられている板のことです。屋根の横や下から雨風が吹き込むのを防いでいます。
鼻隠しは建物構造部が剥き出しにならないようカバーする役割がありますが、雨樋の支持金具を取り付ける下地材にもなっています。そのため鼻隠しが劣化すると雨樋まで外れてしまいますので、外壁塗装の際には鼻隠しのメンテナンスも行われます。
業者によっては、鼻隠しのこともまとめて破風と呼んでいる場合があります。
❹ 矢切・屋切(やぎり)
矢切りとは、外壁と屋根のあいだにある三角形のスペースを指します。
雨があたりにくい部分なので換気口をとりつけたり、飾りをつけたり、外壁部分と異なった色や素材で仕上げていることもあります。
❺ 庇(ひさし)・霧除け(きりよけ)
庇とは、窓やドアなどの開口部の上に設けられた小さな屋根のような部分のことです。
霧除け(霧避け)ともよびます。
庇は、雨の吹き込み防止と日よけの役割を果たしています。庇があると、窓枠をつたう雨だれも少なくなるので、汚れにくくなるのです。
庇がない場合、外壁の窓枠の下が傷みやすくなります。年数が経つと、窓枠の下に縦に黒ずんだ線がついてしまい、そこから外壁の傷みが進行することもありえます。
一般的な住宅では、庇の表面は板金が多く、再塗装でサビから守ることができます。
❻ 軒天(のきてん)・軒天井(のきてんじょう)・軒裏(のきうら)
軒天とは、屋根や庇などが外壁より出っ張っている部分の裏側のことで、軒天井、または軒裏とも呼びます。
近年の軒天は石膏や珪藻土を混ぜたボードや金属が使われていることが多いですが、和風建築では木製の軒天が使われていることもあります。
構造上雨は当たらないのですが、実は湿気が溜まりやすく、定期的な点検が必要です。
破風や鼻隠しの劣化を放置すると、軒天に雨水がしみてきて、やがては内部に侵食し、雨漏りにつながることもあります。躯体の腐食に繋がることもあるため軒天のメンテナンスも外壁塗装では重要な工程です。
軒天は日が当たらず色が暗く見えるので、白もしくは外壁より薄い色にするとよいでしょう。室内から見たときに外が明るく見えます。
❼ 雨押さえ(あまおさえ)
雨押えとは、外壁と屋根、または屋根と屋根など部材同士が接続している立ち上がり部分に雨が入り込まないように取り付けられた部材のことです。
雨仕舞いとも呼ばれます。
❽ 雨樋(あまどい)・縦樋(たてどい)・横樋(よこどい)・集水器(しゅうすいき)・上合(じょうごう)
雨樋は、屋根に降った雨水を集めて地上や排水口へ流すための排水設備です。
屋根の鼻隠しに取り付けられています。
雨樋が壊れると大量の雨が地面に直接流れ落ちて庭に水溜りができるようになったり、壁に雨水が当たるようになって外壁の老朽化が進んだりするため、非常に重要なパーツです。
縦に延びたパーツは「縦樋」、横に伸びたパーツは「横樋」や「軒樋」と言います。
集水器は、縦樋と横樋が交差する部分に取り付けられた箱のようなもので、 軒樋を流れてきた雨水を集めて、縦樋に流し込む役割があります。上合とも呼ばれます。
最後に
いかがだったでしょうか。どれだけの用語を知っていましたか?
建物のパーツや外装材の名称は外壁塗装リフォームを経験していなければ馴染みが薄い用語ばかりです。
しかしそれらの名称を知っていたほうが、業者と施工内容を相談するときに、理解しやすく打合せもスムーズに進みます。また、見積書には細かい名称が書いてあることが多いので、塗り忘れや手抜きがないかチェックするのに役立ちますし、悪徳業者の嘘の説明にも騙されにくくなるでしょう。
ぜひ一度、ご自宅を見ながら、それぞれの名称の箇所を確認してみてください。
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