ケレン作業ってなに?
ケレン作業とは? 塗装で必要?
ケレン作業という言葉をご存じでしょうか?
有名な塗装用語の1つで、外壁塗装には外せない作業です。
そこで今回は、ケレンとはどのような作業なのかという基本的な情報から、作業の目的や効果などについて解説していきます。
「ケレンって何?」「ケレンにはどんな役割があるの?」など、ケレンについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ケレン作業とは?
英語のきれいにするという意味を持つ「クリーン(clean)」が訛って「ケレン」になったと言われています。
そんなケレン作業とは、主にトタンや屋根などの鉄部分の塗装の際に行う下地処理のことで、電気工具ややすりなどの道具を使用して研磨作業を行い、塗装前に古い塗膜やサビを落として塗装面を整える作業の事を言います。
つまりケレン作業とは、これから塗装するところを塗料の密着力を上げるべく、最適な状態にすることなのです。
再塗装の仕上がりの完成度を高めるためにも、塗装前に必ずケレン作業を行って下地を整える必要があります。
ケレン作業の重要性
では、なぜケレン作業は重要なのでしょうか?
それは、ケレン作業無しではさまざまな問題が起こるからです。
ケレンを行わなかったり不十分だったりすると、塗装をきれいに仕上げることができません。ケレンが不十分な状態では錆止めや塗装の耐久性が下がり、せっかく塗装工事を行ってもすぐに劣化してしまいます。
ケレンを充分にせずに錆び止め塗料を塗装したり、塗料を塗布したりしても 、きれいに仕上がらないことはもちろん、塗装して数カ月後には塗料が剥げ落ち、錆が発生・・・なんて事になり、 早期に補修や再塗装が必要になるでしょう。
そのような事態を防ぎ、塗装をきれいに仕上げて耐久性を保つためにも、ケレン作業は必要不可欠な重要な作業なのです。
ケレン作業の目的
施工面を整える
ケレンを行うことによって、施工面の下地を整えることができます。
塗料の厚みは一般的に0.5mmほどで、とても薄いのです。そのため、施工面に古い塗膜やサビが付着したままの状態で塗装を行うと、塗膜の厚みに差が出て仕上がりにもムラが出てしまいます。
ケレンによって施工面を整え、塗装の仕上がりをきれいにすることがケレン作業の目的のひとつです。
付着性を向上させる
ケレンを行うことによって、施工面と塗料の付着性や密着性が上がります。
施工面に古い塗膜が残っていたり、サビなどの劣化症状が現れているまま塗装を行うと、塗料の付着性や密着性が悪くなってしまいます。そのため、古い塗膜やサビなどをケレンによってきれいに落とし、付着性・密着性を高めてから塗料を塗布することが重要なのです。
また、反対に塗装面が平すぎてツルツルしている場合には、目の粗いやすりを使って細かい傷をつけて付着性・密着性を高めます。
このように、下地と塗料の付着性を向上させることがケレン作業の目的のひとつです。
ケレン作業の効果
塗料が長持ちする
ケレンを行うことで施工面と塗料の付着性・密着性を向上させられるため、塗装した塗料を長持ちさせることができます。
下地に汚れやサビが付着したまま塗装を行うと、劣化症状が解消されないまま新しい塗料を重ねて塗ることになるため、下地の劣化とともに塗装も剥がれていってしまいます。
そのため、いくら耐用年数の長い塗料を選んで塗装しても、塗料の耐用年数より早くに劣化症状が始まってしまうこともあるのです。
ケレンを行って塗料を長持ちさせることで、塗装工事の頻度が減れば、余計な工事費用を抑えられることにもつながります。
塗料の寿命に及ぼす影響のうち、およそ50%もの割合でケレン作業が影響するともいわれています。
つまり、塗料の種類や塗装の回数も重要な要素ではありますが、それ以上にケレンによって下地を整えることは、塗料を長持ちさせるために欠かせない重要な作業なのです。
きれいな仕上がりになる
ケレンは、塗装をきれいに仕上げるために必要な作業です。
ケレン作業を行い塗装面を整えてから新しい塗料を塗装することで、均等な厚みの塗膜ができ、ムラのないきれいな仕上がりにすることができます。
一般的な塗装工事で形成する塗膜の厚みは0.5mmほどと薄いため、塗装面の下地が整えられていないまま塗装を行うと、古い塗膜やサビなどの劣化がある部分だけ塗膜に厚みが生まれ、仕上がりにムラができてしいます。
そこで、ケレン作業を行って下地を整えてから塗装することで、塗膜が均等な厚さに形成され、きれいな仕上がりになるという効果が期待できます。
目的別ケレン作業
金属部分のサビなどを落とすケレン
外壁や階段、トタン屋根や雨樋など、さまざまな場所に塗られた塗料は、経年劣化によって塗膜の剥がれやサビなどの症状が現れてきます。
これから塗装しようとしている金属にサビがあったら、塗っても長持ちしないことは明白です。
酷いサビの場合、触っただけでボロボロと崩れてしまうものもありますよね。この上からいくら塗装しても、サビとともにすぐに剥がれてしまうことは容易に想像がつきます。
このようなサビを落とすための下地処理として、ケレン作業を行います。
主に、金属の部分に行われます。
金属製の換気口
あえて傷をつけて塗料を付着しやすくするケレン
主に塗装する面がツルツルしており、塗料が付着しにくい部分に、塗料の密着性が良くなるように表面にあえて凹凸の傷をつけます。この塗料の密着性が良くなるように表面を傷つけるケレン作業を「目粗し」といいます。
細かな傷をつけて目粗しを行うことで、表面積を増やし、そこに塗料を食い込ませることを目的として行われます。
こうやって塗料などを食い込ませる効果を狙っているので、アンカー効果や投錨効果、ファスナー効果とも呼ばれます。
こうやって塗料などを食い込ませる効果を狙っているので、アンカー効果や投錨効果、ファスナー効果とも呼ばれます。
主に、樹脂や金属の部分に行われます。
金属製の雨戸
旧塗膜などを除去するケレン
しっかりと外壁に密着し保護機能を十分に果たしている塗膜のことを「活膜」、逆に密着力が低下し剥がれや崩れが生じている塗膜のことを「死膜」と言います。
これから塗装しようとしているところに、塗料が密着しにくい死膜である旧塗膜が残っている場合に、それを除去するためにケレン作業を行います。
場所にもよりますが、塗料が密着しやすい活膜は残すことが多いです。
主に、木部や樹脂、死膜を残した金属の部分に行われます。
塗膜の剥がれた木部
薬品を使った塗布面を清掃するケレン
布などに薬品を染み込ませ、これから塗装する部分の表面の油分や汚れなどを拭き取る作業(脱脂作業)です。
陸屋根・ベランダ・バルコニーの床面や立ち上がりを施工する防水工事、金属面や樹脂面への塗装を行う際の脱脂と汚れ取りを主な目的としています。
ケレンの種類
次に、ケレン作業の種類についてです。ケレンは劣化の種類により、主に4つの種類に分ける事が出来ます。
1種ケレン
1種ケレンは、腐食が非常に激しい場合に行われます。
一般住宅で使用されることはなく、橋梁や船舶の防食目的で行われる内容となります。
ブラスト工法と呼ばれる表面に研磨剤を高速で吹き付けて洗浄する工法や酸洗浄で腐食部分を除去していきます。
また、剥離剤という特殊な薬品を使用することもあります。
2種ケレン
2種ケレンは、サビや剥離が比較的ひどい場合(塗装面の30%以上にサビが広がっている場合) に、ディスクサンダーや電動ブラシなどの電動工具を使って行うケレン作業です。電動工具を使用することで、サビや古い塗膜を完全に除去することが可能です。
しかし、費用と手間が多くかかるため、一般住宅よりも鉄骨構造の橋梁や鉄塔などで使用されています。
腐食の進行具合によってはケレンが行えず、交換の必要がある場合もあります。
3種ケレン
3種ケレンは、手工具と電動工具の両方を使用して、サビや古い塗膜の除去を行います。
部分的に錆びている場合に行われ、劣化していない塗膜は残します。
まだ十分な密着性がある塗膜は残して、錆や劣化した浮いている塗膜を除去します。戸建てや鉄筋コンクリートの建物など、一般住宅で主流なのがこの3種ケレンです。
ワイヤーホイル、ディスクサンダーなどの電動工具の他、ハンマーやスクレーパー、ワイヤーブラシなどの手工具を併用してケレン作業を行います。
2種ケレンでは古い塗膜を完全に除去し、3種ケレンでは劣化していない部分の塗膜は残すため、古い塗膜の扱いに違いがあります。
4種ケレン
最後に、4種ケレンは、手工具のみを使用した作業です。
皮スキ、スクレイパー、ワイヤーブラシ、研磨パット、サンドペーパーなどによって、表面を処理します。サビや劣化が少ない塗装面に対して行われます。
塗料の密着性を上げるため、手工具を使用して塗装面を全体的に擦っていきます。
このように、一言にケレン作業と言っても、さまざまな種類が存在しているのです。
各種ケレンの費用
種類 | 作業内容 | 単価(㎡あたり) |
1種ケレン | 一般住宅では行いません | ― |
2種ケレン | 電動工具を使った研磨 | 約1500~2000円 |
3種ケレン | 手作業と電動工具を併用 | 約600~1000円 |
4種ケレン | 手作業のみ | 約300~400円 |
各種ケレンの費用は工具を使ったり、薬品を使ったりするほど高額になります。1㎡あたりの単価が第2種と第4種では4~5倍も違うのです。
一般的な戸建て住宅において工具が必要となるケレンをする箇所は限られるでしょうが、それでも10万円程度の差が出てくるケースもないとは言えません。
早めかつ、定期的にメンテナンスすることをおすすめします。特に、金属屋根のお宅では、より意識したメンテナンスを心がけてくださいね。
木部のケレン作業
鉄部分の施工事例が多いケレン作業ですが、木部でも行われます。
木材で出来た部分は、塗装するのが非常に難しく、外壁保護機能が10年と言われる塗料を使っても、木部の場合は、3~5年ほどしか保護膜を維持できないケースがあるほどです。
塗装を始める前に、サビやコケなどの異物をしっかり除去し、はがれかかっている塗膜を取り除きます。
その後、サンドペーパーや工具を使って、塗料が密着しやすいようにわざと傷をつけていきます。あえて表面を傷つけることによって、木材と塗料の接触面が増え、密着性が高くなるのです。
ケレン作業はひとつひとつ手間がかかる作業となりますが、こうした地味で大変な作業きちんと行うことで、美しく、耐久性の高い塗装になるので、欠かすことはできません。
最後に
ケレン作業は外壁塗装において重要な下地処理の工程ですが、塗装することによって簡単に下地を覆い隠せるしまうので、残念ながら手抜き工事が発生しやすいポイントでもあります。さすがに表面が凸凹しているようなサビはその盛り上がりまで隠すことはできませんが、ならして塗ってしまえば肉眼では分からないでしょう。そのサビが表面化してくるのは塗り替えてからかなり後のことです。
失敗しない外壁塗装のためには、外壁塗装の際は見積もり項目にケレン作業が含まれているかや、ケレンの種類や適正な施工単価であるかを確認することが重要です。
それでも、どこまで丁寧に処理をするかは見積り表記だけでは分からないものですので、それぞれの塗装会社の社風やこだわり、過去の施工事例なども判断材料として使ってみてください。
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