外壁塗装の塗料で「つや有り・つや無し」はどう違うの?
「つや有り・つや無し 」は見た目の違いだけではないんです
外壁塗装の塗料選びの際、色の他にも、「つや有り」「つや無し」という選択があります。
つや有りは、ピカピカと光沢のある仕上がり、
つや無しは、マットな落ち着いた仕上がりになります。
また、つや有りといっても1種類ではなく、つやの度合いによって何種類かに分けられます。
どの仕上がりがお好みなのかは、人それぞれ分かれるところです。
しかし、「つや有り」「つや無し」は見た目だけではなく、耐用年数にも違いがあるのです。
今回の記事では、つや有り塗料とつや無し塗料の違いや、各メリット・デメリットなどの解説をしていきます。
実際に外壁塗装する際に気を付けるポイントと塗料の選び方もご紹介しますので、ぜひ外壁塗装の塗料選びの参参考にしてください。
目次
1-1 外壁塗装における「つや」の基準
1-2 「つや」は5段階に分けられる
2-1 つや有りの方が汚れが付きにくい
2-2 つや有りの方が耐久性が高い
2-4 つやの寿命は2~3年
2-5 なくなったつやを復活させるには
3-1 つや有り塗料のメリット
3-2 つや有り塗料のデメリット
3-3 つや無し塗料のメリット
3-4 つや無し塗料のデメリット
5-1 つや無し塗料
5-3 つや無しのクリヤー塗料
6-1 色選びのポイント
7. まとめ
外壁塗装「つや有り」「つや無し」とは
そもそも、「つやが有る」というのは、どういった状態なのでしょうか。
ツヤツヤしている、ピカピカしている、などイメージは湧きますが、改めて考えてみると説明が難しいですね。
「つや」とは、滑らかな平面や曲面に浮かぶ、光の反射や光沢のことです。
外壁塗装における「つや」の基準
外壁塗装において、外壁のつやの有無の尺度は、塗装面に60度の角度から光を当てた時の、反射した光の量で決まります。当てた光を100%として、何%の光が反射するかを測定します。
この光が反射した強さを数値化したものをグロス値、または光沢度といいます。
「つや」は5段階に分けられる
つやは基本的に、グロス値の高い方から順に「つや有り」「7分つや」「5分つや」「3分つや」「つや消し」の5段階に分類されます。
名称の「7分つや」という数字を見ると、7分ツヤはグロス値が70%と思ってしまう人が多いですが、実際にはその数値より低い値になります。
「つや有り」(グロス値:70%以上)
塗ったあとはツヤツヤとした印象になる
「7分つや」(グロス値:55~65%)
曇りの日など、天候によりつやがないように見える。
「5分つや」(グロス値:30~40%)
半ツヤとも呼ばれていて、つや有りつや消しの中間度合いのつや感。
「3分つや」(グロス値:10~20%)
つや消し塗料にほんの少しだけつやがある状態。天気の良い日に、見る角度でつやが感じられる程度。
「つや消し」(グロス値:5%以下)
つやが全くない状態。マット仕上げ、フラット仕上げとも呼ばれている。
つや有り・つや無し塗料の特徴と耐用年数
つや有りの方が汚れが付きにくい
つやが有るということは、表面が滑らかであるということです。
表面が滑らかであれば、砂ホコリや排ガスなどの汚れが付着しづらいので、溜まりにくくなります。
塗膜を劣化させる原因の一つである汚れが溜まりにくければ、それだけ外壁の寿命も長くなりますね。
反対に、つやが無い場合は表面がざらざらしていて汚れが付着しやすくなります。
汚れが常時付着していると湿気などの水分も常時付着していることとなり、それらが塗膜を劣化させる原因になってしまうのです。
つや有りの方が耐久性が高い
先ほど述べた、汚れが付きにくいという点で、つや有りの方が耐久性が高くなります。
ですが、耐久性が高い理由はそれだけではありません。
つや消し塗料のほとんどが、もともとつやの有る塗料にフラットベースと呼ばれる艶消し材(調整剤)を混ぜることによって光沢が鈍くなるように調整されています。
このフラットベースで、つやの有る滑らかな表面に小さな凹凸を付け、光を乱反射させて、つやを少なく見せているのです。
何も混ぜていない純粋な塗料であれば元々の耐久性を発揮しますが、添加物のフラットベースを混ぜた塗料は、艶がなくなる代わりに塗料の耐久性が通常よりも低下してしまうのです。
つや消し塗料の耐久性が劣るといわれている根本の原因はここにあります。
つや有り・つや無しの耐用年数の比較
つや有り塗装はつや消し塗装と比較すると耐用年数が1.5年〜3年程度長いと言われています。
例えば、一般的なシリコン塗料であれば期待耐用年数が約10年ですので、15%〜30%程度変わってくるということになります。
ただし、外壁塗装の耐用年数はつやの有無よりも塗り替え時の外壁の状態と環境や立地の方に大きく影響を受けるので、上記の耐用年数はあくまで目安として考えましょう。
また、現在の塗料は技術が進歩し、改良されていっているのでその差は埋まりつつあります。
つやの寿命は2~3年
つやには寿命があり、永久的に続くものではありません。
つやの寿命は2〜3年と言われており、寿命を過ぎるとつやのない塗料を使用した場合と同じような状態になります。
月日が経過するとつやは無くなるので、つや無しがお好みの方も、耐久性を求めてつや有りの塗料を選択するのも一つの手ですね。
なくなったつやを復活させるには
寿命をむかえてなくなってしまったつやを復活させたいのであれば、つやを与えることができるコーティングをする必要があります。
つやを復活させる専用の塗料をつやがなくなった塗膜の上から塗ることで、塗装したての時のようなつやを甦らせることができます。
アサヒペンの透明仕上げの油性ツヤ復活クリヤコートは、塗り継ぎの心配や、細かくマスキングする必要がなく、特殊アクリル樹脂を採用しているので耐候性が高く、水性塗料にも油性塗料にも上塗りすることができます。
つや有り塗料・つや無し塗料のメリットとデメリット
つや有り塗料のメリット
・ 塗料本来の耐久性・耐候性が期待できる
・ 汚れが付着しにくい
・ 塗りたてのツヤツヤとした光沢感が美しい・ さまざまなメーカーからいろいろな塗料が販売されていて種類が豊富
・ 新築のような見た目に仕上げることができる
つや有り塗料のデメリット
・ つや感は基本的に2〜3年で消える
・ 外壁の種類によってはつやが目立ちすぎる
・ つやの度合いによっては安っぽく見えることがある
・ 光の加減により眩しく見える
・ 目立ったり、主張が強すぎたりするときがある
つや無し塗料のメリット
・ 塗り替えから耐用年数近くまで風合いや雰囲気の変化が少ない
・ 落ち着きのある雰囲気で周囲と調和し、高級感ある仕上がりに見える
・ モルタル等の外壁と相性が良い
・ 日本風の落ち着いた家に合う
・ 塗り直してもあまり変化がなく自然な仕上がりになる
つや無し塗料のデメリット
・ 汚れがつきやすく落ちにくい
・ つや有りよりも耐候性が弱く劣化が早い
・ 流通している塗料の種類・カラーが少ない
・ カラーによっては地味に見えることがある
・ つや有りをつやの調整でつや消しにした場合、価格も高くなる
つや有り・つや無しのある塗料の確認方法
実際に使用する塗料がつや有り・つや無しに対応しているかどうかは、カタログで確認する必要があります。
上の画像はエスケー化研のエスケープレミアムシリコンのカタログ例です。
このようにつやの表記がありますので、ご自身が使用される塗料がつや有り・つや無しに対応しているのかどうか確認してみましょう。
つや有りとつや無しは塗料によって決まる
つやの有る無し、またどれくらいのつやが有るかということは、塗料が製造されている段階で決まっています。
塗料の種類によってはつや消しにすることが不可能なものもあり、つやを消そうとしても五分つやや三分つやまで抑えることしかできないこともあります。
そのため基本的には塗料選びの際に、つや有りとつや無しのどちらにするかということを決めておかなくてはなりません。
つや有り塗料の場合、実際の外壁塗装の現場で艶消し調整材(フラットベース)を塗料に混ぜてお好みのつやにすることも可能なのですが、あまりお勧めはできません。
しっかりと品質管理された工場とは違い、現場では温度もまちまちですから、品質が一定しません。また、仕上げ後のタッチアップなどの補修もしにくくなってしまいます。
つや有り・つや無しの代表的な塗料
つや無し塗料
・日進産業:ガイナ
・日本ペイント:インディフレシュセラ、水性ペリアート
・エスケー化研:エスケープレミアムマルチカラー
・水谷ペイント:ナノコンポジットW
つや有りにもつや無しにも対応した塗料
・日本ペイント
パーフェクトトップ(艶なし・3分艶・5分艶・7分艶・艶あり対応)
・関西ペイント
ダイナミックトップ(艶あり、7分艶、5分艶、3分艶対応)
・日本ペイント
ファイン4Fセラミック(艶なし・3分艶・5分艶・7分艶・艶あり対応)
・SK化研
セラミシリコン(艶なし・3分艶・5分艶・艶あり対応)
プレミアムシリコン(艶なし・3分艶・5分艶・艶あり対応)
つや無しのクリヤー塗料
・日本ペイント:UVプロテクトクリヤー
つや有り・つや無し塗料の選び方
色選びのポイント
つや有り塗装
淡い色をおすすめします。
白系などは新築のように見えて美しく、赤や黄色などにするとつや感でよりポップな印象になります。
明るいカラーは日中でもつやが目立たず、ギラギラした印象を与えることがありません。
明るめカラーは黒い汚れが目立つ傾向にあるので、汚れのつきにくいつや有りをおすすめします。
つや無し塗装
濃いめの色をおすすめします。
黒やグレーカラーを用いることで高級感が増します。また、独特の重圧感とマッチして美しいです。
黒や紺などの濃色カラーは、黒い汚れは目立たない傾向にあります。
こだわりがなければ「つや有り」をおすすめします!
つや有りをおすすめする一番の理由は、やはりその耐久性の長さです。
選べる塗料の種類が多いこともおすすめポイントです。
カラーサンプルは屋外で確認しましょう
つや有り・つや無しで迷ったら、実際に外壁塗装で使う塗料を塗ったサンプルを用意してもらいましょう。
ここで大切なことは、サンプルは必ず「屋外」で確認することです。
室内の照明器具の下で照らされた色見本と、屋外で太陽光に照らされた色見本では、つやの感じや色味が全然違って見えます。
外壁はもちろん太陽光で照らされていますので、室内よりも屋外で色見本を確認をしたほうが、実際のイメージに近いものになりますので、必ず屋外で見るようにしましょう。
まとめ
外壁塗装のつや有り・つや無し塗装についてお話ししました。
「つや有り」は塗りたての光沢感が出る塗料で、「つや無し」は、つや感をおさえたマットな落ち着きのある仕上がりになる塗料です。
つやには寿命があり2~3年でなくなりますが、上からつや用の塗料を塗ることによってつやを復活させることも可能です。
つや有り・つや無しの選択は基本的に好みになります。
それぞれメリット・デメリットがありますので、ご自身のイメージに近いものを選んでいただいて問題ありません。
つや有り塗装の方がつや無しと比べて耐久性が高い傾向がありますので、こだわりがない場合はつや有りをおすすめしています。
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