もし外壁に「クラック」を見つけたら?対処法と応急処置
2022年04月01日 09:55:28
外壁は建物の構造躯体となる重要な部分です。
もっとも、築年数の経過に伴う経年劣化や地震や台風などの災害による損傷、紫外線などのダメージや場合によっては車の衝突などの物理的な衝撃により壊れるケースもあります。
外壁が劣化したことを示すサインの1つに、クラックが挙げられます。
クラックはひび割れとも言われる現象ですが、その原因は経年劣化や災害などさまざまです。
ここではクラックの種類や原因、対処法についてご紹介していきます。
■クラックとは?
クラックはひび割れのことですが、いくつか種類が分けられ、状態や生じる原因も異なっています。
ヘアクラックや構造クラック等の種類がでありますが、中でも問題なのが構造クラックです。
ヘアクラックとは外壁塗装の塗膜に生じるもので、髪の毛程度の細いひびなので、ヘアクラックと呼ばれています。
これに対して、構造クラックは塗装ではなく、その下の外壁材そのもののひび割れです。
雨漏りのおそれや壁が崩れて大きな被害をもたらすおそれもあるため、早急な修繕が必要です。
他にも以下のような種類のクラックがあります。
乾燥クラック
乾燥クラックは乾燥がひどいことから起こるもので、間近で見ないと確認できないほどの細いひびが発生します。
縁切れクラック
縁切れクラックは、以前に塗装した場所と別の機会に塗装した場所との継ぎ目から発生するひび割れです。
開口クラック
開口クラックは、窓枠や扉などの開口部周辺に発生しやすく、開口端部から斜め方向に亀裂が入ります。
■クラックが発生する原因
塗装や外壁材などにひび割れが発生する原因は、以下のような事柄が主な原因です。
経年劣化
外壁塗装の場合、塗料には耐用年数があります。
塗料の種類に応じて5年から15年ほどと幅がありますが、耐用年数の経過に伴い、塗装面の状態も悪くなっていきます。
耐用年数がまだ残っていても、直射日光が当たる場合や乾燥が激しい場所、雨風や雪が当たる、湿気が多いなどの環境の状態により、劣化が進み、表面にひびが入りやすいケースも少なくありません。
外壁材は耐久性が高い素材で造られていますが、何十年も経てば、ひび割れが生じることもあります。
施工不良
建物の建築後やリフォーム後、短期間でひび割れが発生した場合、外壁塗装、外壁問わず、施工不良の可能性も高いです。
適切な塗装がなされていなかった、適切な構造計算に基づく設計がなされていなかった、設計通りに施工されていないなどの場合、ひび割れることがあります。
業者が施工したばかりなのにひび割れた場合は施工不良を疑い、信頼のできる第三者の専門家や、別の業者に検査を依頼することがおすすめです。
自然災害
地震や台風、竜巻や落雷などの自然災害や近隣火災による延焼やコゲ、自動車が突っ込んだなどの思わぬアクシデントで、塗装や外壁が割れる場合もあります。
これらのケースはひび割れが大きく、損傷が激しいことも多いため、早めの点検と補修がおすすめです。
■クラックを見つけたときの対処法
クラックを見つけたときの対処法として、DIYをする方法と業者に依頼する方法の2つをご紹介します。
補修材の使用
最近は、DIYで幅広く対応する方も増えています。
本当なら業者に頼みたいけれど、予算やスケジュール面で厳しいときはホームセンターやオンラインショップで手に入る、コーキング剤などの補修材を充填することで、応急措置は可能です。
ヘアクラック程度や外壁材の極わずかなひび割れなら、DIYでも当面の間は問題ないでしょう。
ですが、ひびが大きな場合や建物を長く使っていくことを考えれば、専門業者への依頼がおすすめです。
業者への依頼
経年劣化によるヘアクラック程度なら急ぐ必要はありませんが、施工不良の場合やクラックの程度が大きな場合には、早めに業者に依頼してください。
施工不良の場合、無償での対応が基本となります。
もっとも、悪質な業者や技術のない業者では費用を請求してくる場合や適切な対応ができない場合もあります。
責任を持った対応をしてもらえるよう、不安であれば専門家を介してする等の対応をしましょう。
経年劣化や災害などの場合は、塗装業者や工務店などに相談をします。
ひび割れが発生した場所や程度に応じて、外壁の張替えや下地補修を行い、外壁塗装を塗り直します。
なお、災害によって外壁や塗装面に損傷が生じた場合、火災保険を使った修理が可能な場合も少なくありません。
ご加入の火災保険や住宅総合保険の補償内容を確認するとともに、業者に保険修理が可能か相談するのがおすすめです。
■おおよその費用感
ひび割れ単体の補修なら、約1,700~2,500円/㎡ほどで修理が可能です。
一方、外壁塗装を塗り替える場合、一般的な2階建て住宅、塗装面積200平米ほどで、選ぶ塗料のグレードなどにより80万円~150万円ほどかかります。
外壁材の張り替えが必要となれば、200万円以上かかります。
■まとめ
外壁が劣化すると、塗装面にヘアクラックが発生することや外壁そのものにひび割れが発生することがあります。
施工不良の場合は、早めの対処が必要です。
経年劣化の場合は状態に応じて、塗装業者などに相談しましょう。
災害によるひび割れの場合は火災保険による修理も期待できます。