マンションの外壁塗装を行う理由と施行内容
2022年05月30日 11:03:10
マンションは一般的に10年から15年おきに大規模修繕工事を行う義務があります。
主な内容としては外装や共用部のメンテナンスを行い、マンションの耐久性を高める工事です。
外壁塗装も大規模修繕工事の一環として実施されます。
ここでは、マンションの外壁塗装を行う理由と施行内容についてご紹介します。
■マンションの外壁塗装が必要な理由
マンションの外壁塗装が必要な理由は以下の通りです。
・雨漏りの防止
外壁塗装は外壁から雨水が入り込むのを防ぎ、雨漏りを防止し、住宅を守る役割があります。
外壁塗装によって内部からマンションが劣化するのを防ぎ、資産価値を維持しているのです。
もっとも、外壁塗装も経年劣化が進みますので、都度塗り替えが必要です。
傷んだ場所を補修して塗り替えることで、防水機能を強化して劣化原因を防ぐことにより、マンションの資産価値を守れます。
・外観の維持
外壁塗装はお住まいの美観を保持してくれます。
外壁は経年劣化により剥げたり、褪色したりして、汚れが目立つようになります。
マンションの外観がキレイな状態を保てるよう、塗り替えを行い美観を保つことも大切です。
塗り替え時には従前と異なるカラーにすることもできるため、管理組合などの同意があれば、イメージチェンジも可能です。
・入居者満足度の維持、向上
見た目が汚くなった場合や色が剥げて古びた印象のマンションでは、満足度は低下してしまいます。
売却したいときも、査定価格が低く見積もられることや見学に来た購入希望者のイメージが悪く、買い手が付きづらくなってしまうことも。
外観を美しく保ち、資産価値を維持・高めることで、入居者の満足度を維持、向上を図ることが必要です。
・入居率アップ効果も見込める
賃貸向けをはじめ、分譲マンションを売却するときや賃貸したいときも、見た目が美しく、高級感があるほど入居率アップが見込めます。
入居希望者の多くが実際に現地に見学に来ます。
室内や設備などが気に入っても、外観があまりに汚いと、老朽化が進んでいて危険、住んでも自慢できないなどの理由で選んでもらえません。
■マンションの外壁塗装時に行う作業
マンションの外壁塗装時に行う主な作業をご紹介します。
・高圧洗浄で外壁洗浄
長年の汚れやコケ、カビなどを取り除くために、高圧洗浄機にて外壁を隅々までキレイにします。
汚れがこびりついた状態では、凹凸ができてキレイな塗装ができないため、しっかりと洗浄することも欠かせません。
高圧洗浄後はしっかりと乾かす時間を置いてから、次の作業へと進んでいきます。
・養生
養生ネットを張ることで、塗料などが飛び散るのを防ぐほか、作業中の騒音を和らげるなどの役割も果たします。
施工中はマンションが足場と養生ネットに覆われた状態になりますので、ご了承ください。
・防錆塗料塗布
一度目はシーラーと呼ばれる防錆作用のある塗料を塗布します。
色を付ける塗料の密着度を高める、接着剤的な役割も有しており、最初に防錆塗料で下塗りすることが大切です。
・中塗りと上塗り
シーラーが乾いたら、中塗りとして、色の付いた塗料を塗ります。
しっかり乾かした後、仕上げとして、もう一度、色が付いた塗料で上塗りをすることが必要です。
丁寧に三度塗りすることで外壁塗装の耐久性を高め、見た目からもわかる深みのある美しいツヤが出ます。
■おおよその費用と期間
マンションの外壁塗装の費用や期間は規模によっても、大きく異なります。
高さや戸数、構造などによりますが、規模が大きくなるほど施工期間は長く、費用も高額になる傾向があります。
・施工期間
施工期間は規模によって差がありますが、外壁塗装を含めた大規模修繕工事をすべて完了させるには、通常2ヶ月から3ヶ月ほどの期間が必要です。
大規模マンションになると3ヶ月以上かかるケースも少なくありません。
塗装単体の施工であれば、半月から1ヶ月ほどが目安となります。
・費用目安
マンションの外壁塗装の費用目安ですが、単価は床面積の平米あたり0.6万円~1万円が相場です。
たとえば、鉄筋コンクリート8階建てで延床面積1,600平米ほどのマンションで、外壁が磁気質タイル、モルタル吹付の場合、外壁塗装と外壁の補修、シーリング工事のみで1,000万円ほどになります。
外壁塗装は大規模修繕工事の一部ですので、実際の総工事費用はさらに高額です。
そのため、大規模修繕工事をスムーズに行うために、所有面積に応じた修繕積立金を計画的に積み立てる必要があります。
■まとめ
マンションの外壁塗装が必要な理由は、雨漏りの防止、外観の維持、入居者満足度の維持と向上を図ること、入居率アップ効果も見込めるからです。
マンションの外壁塗装時に行う主な作業として、高圧洗浄で外壁洗浄し、ネットを張るなど養生をしっかり施すこと、防錆塗料塗布してから中塗りと上塗りをする三度塗りを行うことです。
施工期間と費用は規模によって差が生じ、規模が大きくなるほど長い期間と大きな費用がかかります。
期間の目安は2~3ヶ月、費用は繕積立金を財源にします。