静岡県掛川市は、城下町として栄えた歴史あるまちで、自然豊かな山間部から遠州灘に面する平野部まで、地形が多彩です。
そのため住宅は、地域ごとに異なる気候の影響を受けやすく、外壁や屋根も過酷な条件にさらされています。

掛川市で外壁塗装や屋根塗装を行う場合は、紫外線や湿気、風や塩害など、掛川市特有の環境リスクを踏まえた適切な塗料選びと工法が重要となります。
住まいの耐久性を大きく左右しますので、どのようなポイントを押さえればよいのか見ていきましょう。

静岡県掛川市は、2005年4月1日に旧掛川市・大東町・大須賀町が合併して誕生しました。
東海道と秋葉道が交差する交通の要所で、戦国時代には、「掛川城・横須賀城・高天神城」が築かれ、城を中心に城下町が作られて発展してきました。
今も多く現存する遺跡からは、当時の生活や歴史を感じられます。

掛川市は、静岡県西部に位置していて、静岡市と浜松市のほぼ中間にあります。
市の北部には標高832メートルの八高山をはじめとする山地が広がり、中央部には小笠山丘陵、南部には遠州灘に面した砂浜海岸が広がっています。
平坦な土地が多く、住宅地や農地の開発に適した地域です。

市内にはJR東海道本線・東海道新幹線が通り、掛川駅から東京まで約1時間半でアクセスできます。
掛川駅は全国の新幹線駅で唯一の木造駅舎なんですよ。

気軽に首都圏まで行ける環境と、東名高速道路と新東名高速道路のインターチェンジ、静岡空港まで車で約30分と交通の便が良いこともあり、移住先としても人気のまちです。

温暖湿潤気候で、日照時間が長く年間を通じて温暖な地域です。
夏は高温多湿。
降雪はほとんどありませんが、冬は「遠州のからっ風」と呼ばれる強い季節風が吹きます。
台風の影響を受けることもあり、住宅や屋根・外壁には風雨対策が必要です。

掛川市は、東海道の「掛川宿」と「日坂宿」の2つの宿場町として栄え、その面影が多く残っています。
伝統行事や地域文化が今も生活に根付いており、地域の心の拠りどころとなっています。

平野部では農業（茶・野菜・果物）が盛んに行われています。
特にお茶の生産は県内有数の茶産地で、特産品である「深蒸し掛川茶」は全国茶品評会で通算21回もの産地賞を受賞するなど、掛川市は全国屈指のお茶処として知られています。

観光や交通の利便性から、住宅地としても人気があり、生活環境が整った、自然と都市機能がバランスよく共存している暮らしやすい地域です。

掛川市は温暖な気候と、住む人々のあたたかな人柄で、「交通や文化的生活を保ちつつ、のどかであたたかな生活」を実現できるまちです。
その反面、湿気が多くカビや藻が発生しやすいことや、紫外線や強風、台風の影響を受けやすいことなど、住宅にとってあまりよくない条件もあります。

掛川市の気候や環境は、住宅の外壁や屋根に次のような影響を与えます。

紫外線による色あせ・チョーキング・シーリング材の劣化

掛川市は日照時間が長く、夏場は特に紫外線量が多いため、外壁表面の顔料が分解されやすく、色が褪せて建物が古びた印象になりやすい。
また、塗膜の樹脂が分解され、塗膜の樹脂が劣化して白い粉が出る現象（チョーキング現象）も進行しやすい。
外壁材の目地やサッシまわりに充填されているシーリングは、紫外線や気温変化で硬化・収縮し、ひび割れや剥離を起こしやすい。
これらを放置すると防水性が低下し、 雨漏りのリスクが高まる。

強風によるひび割れ・摩耗

冬季は「遠州のからっ風」で乾いた強風が連日吹きつけるため、外壁の表面は砂埃や風圧で摩耗しやすい。
台風シーズンには突風や飛来物によって、外壁にひび割れや欠けが生じるリスクも高まる。
小さなひびでも水分が侵入すると、凍害や内部劣化につながる。

湿気によるカビ・苔・藻の発生

夏は高温多湿になり、外壁の北側や風通しの悪い場所は湿気がこもりやすい。
その環境で繁殖しやすいのが、カビ・藻・苔。黒ずみや緑色の汚れとなって目立ち、美観を損なうだけでなく、塗膜の寿命を縮めてしまう。
特に外壁の微細な凹凸部分や、雨水が残りやすい箇所に発生しやすい。

紫外線と熱による塗膜の劣化

屋根は外壁以上に直射日光を受けやすく、夏場は表面温度が60℃以上に達することもある。
その結果、塗膜は膨張と収縮を繰り返し、ひび割れや剥がれが発生しやすい。
防水機能が低下すると、雨水が屋根材に染み込み、下地の腐食や雨漏りを引き起こすリスクが高まる。

苔や藻の繁殖による防水性低下

屋根は雨水や湿気を受けやすく、特に日陰や北面で苔や藻が繁殖しやすい。
苔や藻が定着すると屋根材の表面に水分をため込み、防水性能が低下する。
放置すると、屋根材そのものが脆くなり、劣化スピードが一気に早まる。

金属屋根・板金部分のサビ

掛川市や周辺の沿岸部では潮風による塩害のリスクもある。
金属屋根や棟板金はサビや腐食が進行しやすく、やがて穴あきに発展。
サビを放置すると塗装だけでなく板金交換が必要になり、修繕費が高額になるケースもある。

強風・台風による損傷

遠州灘に面した地域は台風の通り道でもあり、強風で屋根材が浮いたり、剥がれたりするリスクが大きい。
棟板金の固定が甘いと飛散する危険もあり、雨漏りだけでなく周囲の住宅や車への二次被害にもつながる。
定期点検と補強工事は欠かせない。

特徴

フッ素塗料や無機系塗料は、紫外線や酸性雨、風雨などに強く、塗膜が長持ちするのが特徴です。

耐用年数

シリコン塗料の約1.5倍～2倍程度、10～15年以上持つ場合もあります。

メリット

　・塗り替え頻度を減らせるため、長期的なメンテナンスコストを抑えられる。
　・色あせやチョーキング（白い粉の発生）が起こりにくく、美観を長期間維持。

掛川市向けの理由

夏は紫外線が強く、冬は風による摩耗があるため、耐候性の高い塗料が適しています。

特徴

太陽光の赤外線を反射する遮熱塗料と、熱の逃げにくさを高める断熱塗料を組み合わせることで、屋内温度の変化を抑えます。

メリット

　・夏の暑さによる室温上昇を抑え、冷房の効率を向上。
　・冬は室内の暖かさを逃がしにくく、暖房効率アップ。
　・光熱費の削減に貢献。

掛川市向けの理由

夏の蒸し暑さや冬の冷え込みを緩和し、快適な室内環境を実現。

特徴

沿岸部や海風の影響を受ける住宅向けに開発された塗料。塩分による金属部材や外壁の腐食を防ぎます。

メリット

　・鉄部やアルミ、金属サッシのサビを抑制。
　・外壁や屋根の劣化を遅らせ、建物の耐久性を向上。

掛川市向けの理由

南部は遠州灘に面しており、潮風や塩害リスクがあるため必須の対策です。

特徴

湿気や雨水で繁殖しやすいカビ・苔・藻を抑制する添加剤を含む塗料。

メリット

　・外壁の美観を長く維持。
　・北面や日陰部分、湿気の多い場所でも効果的。
　・メンテナンス回数を減らせる。

掛川市向けの理由

夏の高温多湿や、雨が多い季節に外壁や屋根に発生しやすいため、必須の対策です。

特徴

棟板金や屋根材の固定を強化し、台風や強風による浮き・剥がれを防ぐ工法。

メリット

　・屋根材の飛散や破損を防ぎ、雨漏りや二次被害を抑える。
　・長期的に住宅の耐久性を高める。

掛川市向けの理由

冬の「遠州のからっ風」や台風が通過する地域特性を考慮した安全対策。

掛川市は歴史と自然に恵まれた魅力ある地域ですが、住宅にとっては紫外線・強風・湿気・塩害といった過酷な環境条件にさらされています。
これらの影響を放置すると、美観の低下だけでなく、建物自体の寿命を縮めるリスクも高まります。

そのため、外壁塗装・屋根塗装では、「高耐候性・防湿性・遮熱性・耐塩害性・強風対策」といった地域特性に対応した塗料と工法を組み合わせることが重要です。

定期的な点検と適切な施工を行うことで、住まいの美観と耐久性を長期にわたり守ることができます。

掛川市は住みやすく魅力的な街ですが、住宅にとっては厳しい自然条件も多くあります。
大切なお住まいを長持ちさせるためには、地域に合った塗料と工法での外壁塗装・屋根塗装が必要です。

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